闘う女たち
2021.08.11更新
8月2日、隣りの土地の杉の木を、危険木伐採師の田中佑樹君が、ばっさりと切ってくれました。
大きな杉の木が2本、あっという間に倒れました。道路側の雑木もきれいさっぱりとなり、倒した木の処理もしてくださったので、すっきりさわやかになりました。
もともと、わたしたち夫婦の自宅ときりしま月の舟が建っている霧島の土地は、父が残してくれたものですが、そこは260坪。その隣りの70坪を買い足し、さらにその隣りの140坪も買い足しましたから、わたしとユタカ君が所有する土地は、全体で500坪弱。
うわあ、土地持ちだあ(笑)。70坪と140坪の間に段差があり、その段差の部分に大きな杉の木がぐんぐん育っていたのでした。
このあたりは、大木だらけで、霧島神宮の表参道も赤松、黒松、杉、檜と大きな木が聳え、林立しています。その分、素晴らしい景観がもたらされているのですが、2年前でしたか、表参道の大木が、台風で2本も倒れ、道路を塞いだことがありました。
あれは、森を知らないわたしにとっては大きな事件でした。山育ちのユタカ君も、霧島の自然の力に畏怖の気持ちをもっていて、大木が倒れてきては大変、と田中君に伐採をお願いしたのでした。
田中君は大人気の伐採師なので、スケジュールが押せ押せで、結局、こんな暑いさなかに伐採、となったのですが、まあ、その作業の早く、的確なこと。実にてきぱきと動く姿に感動しました。
切り倒した杉の木は、一部をチェーンソーアートの世界チャンピオン級の方が引き取りにいらしてくださいました。
木霊光さんとおっしゃるチェーンソーアーティストは、湧水町がわざわざ北海道から引き抜いてきた方だとか。きりしま月の舟でしばし、コーヒーを飲みながら歓談するなかで、とても意気投合して、そのうちに女神像を彫っていただく話になりました。なかなかのお値段なので、うちに余裕ができてからなのですが、なんだかワクワクするつながりです。
そして、木霊さんと一緒においでくださった湧水町の議員さんの仮屋さんは、わたしがかつてNHK鹿児島放送で、椋鳩十先生の「栗野岳の主」について、栗野岳を登りながら解説する仕事をしたときに、一緒に出演された猟師の仮屋さんの弟さんでした。
懐かしかったなあ。栗野岳のイノシシの生態について、仮屋さん(兄)からいっぱい教えていただいたのでした。
これから湧水町とのつながりもできそうで、楽しみです。
8月3日から、きりしま月の舟では、夏休み作文教室が始まっています。6人の子どもたちが、すでに夏休みの作文を書き終えましたよ。
子どもたちに教えるのは、本当に楽しい。「教える」ことがわたしの大得意分野です。子どもたちの個性を大切にして、褒めてほめて、深めていく。それを心掛けています。
そして、鹿児島県立短大の学生さんたちのレポートを、ただいま採点中。53人分。いやあ、すごい、すごい。みんな頑張って書いてくれたね。ひとつひとつのレポートに重みがあります。
いいぞ、いいぞ、若者たち。応援してるよ。
若者もいいけど、熟女もいいなあ。8月8日には、「向田邦子追悼朗読会」をきりしま月の舟で開催しました。
台風接近で雨風の強まる中、8人の方がお集まりくださいました。台風&コロナでキャンセルの方もありましたが、わたしを含めて、6人が朗読しました。
今年は、向田邦子のエロスが立ち上がるような感じでした。「パックの心理学」「家族熱」「春が来た」「黄色い服」「水羊羹」「細長い海」が朗読されました。
どれもこれも色っぽいお話です。女性に関するものばかり。朗読カフェの梶原先生も、男性的などっしりとした朗読をしてくださいました。
梶原先生のほかは、みな熟女ばかりで、その色っぽさといったら、本当にうっとりするくらい。美しかったなあ。
わたしの高校時代の同級生である由美さんも、体調不良が長く続いていたというのに、大雨のなかをダーリンともども駆けつけてくださって、本当にありがたかった。
由美さんが、わたしのことを「高校時代は、おとなしかった」というと、皆さんからどよめきが(笑)
そうそう、わたしって何かにつけて、遠慮してたなあ、と思い出しました。田舎の中学から、鹿児島市内の高校に通ったら、まあ、田舎にはいないような美少女がいたり、オタク系の秀才がいたり、度肝を抜かれることばかり。
由美さんもその美少女のひとりでしたね。かわいくて、性格がよくて、運動もできて、すべてが整っている感じ。
しかしまあ、人間60年も生きると、美少女は年増女になり(笑)、しわが増え、酸いも甘いもかみしめた人生を送ってきたその証が肉体に現れます。
そのときこそが勝負ですものね。魂がどれだけイキイキしているか。
わたしは今でも遠慮することも多くありますけれど(ホントだよ)、だいたいにおいて、思い通りの人生を歩むことができています。
それもこれもユタカ君のおかげ。彼と結婚したことで、わたしの魂も肉体も輝き始めました。それまでは、文学をやる女の子なんて、社会のはぐれもの的なところがありましたけど、ユタカ君は、わたしが文学を勉強しているからこそ好きになってくれたようなもので、わたしの本質をぐいぐいと引き出してくれました。
わたしは、先日、母を霧島の家に引き取らない、と決めた瞬間、さらに成長した気がしました。わたしにはきょうだいがいっぱいいるし、弟夫婦が頑張ってくれているし、妹もいつも母のことを心配してくれているし、兄夫婦、甥っ子夫婦も、母のことを温かく見守っています。
親孝行をする、いい子でいる、という縛りを自分で解いた瞬間、わたしは仕事に生きたいんだ、という気持ちが溢れ出てきました。もちろん、母のことは大切にしますし、これからも見守っていきます。
しかし、わたしにとって一番大切なのは、自分。そして仕事。ユタカ君。これは三位一体です。次に娘たち、孫たち。若者たち。月の舟の会員さん、お客様。仕事仲間。月の舟そのもの。愛と感謝に溢れた人生。
向田邦子追悼朗読会に、作家の有川真由美さんもご参加くださいました。真由美さんも向田邦子のファンだということでしたので、お誘いしました。
今週の8月14日(土)午後2時から、きりしま月の舟で、「有川真由美トークショー」を開催します。限定20名ですが、先ほど、満席になりました。ありがたいことです。
「感情の整理ができる女はうまくいく」という有川真由美さんの本が、10年前に30万部も売れ、そのイラスト版、台湾版、中国版、韓国版など、本当に売れに売れている本が、このたび漫画版となって、発売されました。
その新刊記念トークショーを、きりしま月の舟で開催するのです。すごいなあ。嬉しいなあ。
有川真由美さんは、「どうだああ」というような雰囲気ではなく、楚々とした、可憐な少女と経験豊かな女性が同居したような方です。しっかりと読者に寄り添う、伴走者のような感じの文章を書かれます。
今回は、新刊本と、月の舟スイーツセット付で、3千円、という超お得なお値段。しかも「感情の整理」ということで、皆様、大変興味を示してくださいまして、おかげさまで、満席となりました。
ああ、行きたかったのになあ、という方は、これから毎月第2土曜日午後2時から、「ブックカフェ@有川真由美」と題して、有川さんのトークの時間をきりしま月の舟で設けます。9月11日、10月9日、11月13日、と続きますので、こちらもどうぞご予約くださいませ。
昨夜は、有川さんにご招待いただき、最近話題のクラブハウスでの「ブックス火曜日 ベストセラー作家、有川真由美さんが「感情の整理」について初トーク」という番組を聴きました。
いやあ、すごいですよね。主催者の土井英司さんは、毎日一冊紹介するメルマガを書き続けている方、あの、こんまりさんをプロヂュースした方だそうです。
いやはや、大変勉強になりました。「感情の整理」って何ぞや。というものが、あらゆる視点から語られ、ほぐされ、論じられた2時間半。
さすが、都会やなあ。霧島の田舎に引っ込んでいては、時代に取り残されまっせ。という気分になりました。
でもね、みたけきみこも負けてないよ。きみこなりの「感情の整理」の解釈があるんだわ。
つまり、劣等感があると、感情が乱れ、揺すぶられる、ってことを発見したきみこは、最近、さらに強くなっているのです。
目指すは、自立です。本物の自立です。
わたしが母を引き取らない、と思った根底には、実家から独立する、という自立の精神があります。
劣等感を全捨て。わたしって最高傑作。完璧。完全。ありのままでOK。ひとりぼっちの孤独でも生きていける。ひとりでもいいけど、ユタカ君がいたら、さらに最高。だって、わたしたちは、Ⅰ+1=100のカップルだしね。
ユタカ君命だけど、わたしもユタカ君も孤独に強い。打たれ強い。だから、お互いに侵入しないし、見張らない。
今回の東京オリンピックの成果は、格闘技系の女子たちの大活躍でしたね。怪物さんたちの美しいこと。
かわいくって、性格良くて、頭良くて、スポーツ万能、といった他人目線の美少女ではなくて、自分の意志で、勝ちに行く態度こそが、美しく、立派だということを、いやというほど見せてくれました。
限りなく自由で、闘う女になるぞ。
先日、聴きに行った霧島国際音楽祭、みやまコンセールでのヴァイオリンの川久保賜紀さん、ピアノの上原彩子さん、チェロの上村文乃さん、この3人も闘う美しい女たちでした。
闘う女たちって、何と闘っているかというと、自分、なんですね。どんどん磨いていっている。磨いて、磨きまくっている。
わたしもそんな女になります。自分を磨いて、磨いて、磨きまくります。
先ほど、大きな雷が鳴りました。霧島は今日も雨です。きりしま月の舟は、お休みしました。明日はオープンしますよ。
自然災害、コロナ禍、負けないわ。
きみこは最高、美しい、すごい、できる女、元気、明るい。非の打ちどころがない(笑)。あっても、笑い飛ばす。
ということで、8月14日(土)「有川真由美トークショー」、お待ちしております。
わたしは着物を着ます。さ、その準備もせねば。ランチの仕込みもせねば。レポートの採点もせねば。
ひとつひとつを丁寧にやるのみ。焦ることなく、未来を信じて。
では、みなさま、きりしま月の舟で、心地よい時間をお過ごしくださいね。明日10時から17時までオープン。8月15日(日)までお盆も営業します。