きりしま月の舟

非凡であれ

2024.08.26更新


 台風10号が近づいていますね。霧島も時折、風が強く吹き、雨がパラパラと降ります。

 明日から予定していた屋久島行き、8月28日開催の山尾三省忌が台風接近のため中止となり、予約していた高速船やレンタカーもキャンセルしました。屋久島のお友達にもお世話になる予定でしたが、「また会おうね」のご挨拶。

 2,3日前までは、高速船が揺れるだろうけど、欠航じゃないよね、くらいの心配でしたが、あらら、というくらいに急カーブして、屋久島を直撃です。

 いやあ、これはきみちゃんに「屋久島へ行くな」というくらいの直撃で、あちゃあ、ですわ。

 三省忌で対談予定だった竹本先生とは、23日に打ち合わせをすませ、お互いの役割分担もすませて、あとは本番でどんな展開になるか、とっても楽しみだったのですが、また来年というものがありますし、ね。

 竹本先生の山尾三省研究が進んでおられて、きみちゃんもとても参考になりました。きみちゃんもまた、これを機会に、きみちゃんなりの三省論を打ち出せる気がしています。

 台風が来なければ、たぶん今頃は屋久島行きのパッキングで大わらわのところでしたでしょうが、こうしてゆっくりとブログが書ける余裕ができて、よかった、よかった。

 昨日は、指宿図書館での講演。いやあ、楽しかった。30人ほどの受講生の方々でしたが、皆様、本当に熱心に聴講してくださって、きみちゃん、大感激。アンケートにも「楽しかった」「時間がたつのが早かった」「続きが聞きたいです」とのお声が多数で、とても嬉しかったなあ。

 おひとりも居眠りの方もなく、皆様、前のめりで聴いてくださって、本当にありがたや、ありがたや。

 きみちゃん、いつもそうなのですが、準備は万端なんですね。資料をたくさん用意し、講演原稿も用意し、そのまま話せば時間通りに終わるところを、ついつい補足していろいろとしゃべってしまうので、結局は時間が足りなくなってしまうのですわ。

 講演時間90分で、最後の10分を質問タイムの予定が、講演にまるまる90分使って、続けて質問タイムにして、素晴らしい質問が続いたので、大感激で、またいろいろしゃべって、という流れで、ああ、もっともっとしゃべりたかったなあ。

 担当の東口さんが、「先生が疲れるんじゃないか」と心配してくださいましたが、きみちゃん、きっと5時間くらいはノンストップでしゃべれると思う。やったことないけど(笑)。

 昨夜の大河ドラマ「光る君へ」を観ながら、きみちゃんが講演で話したことがお役に立っただろうなあ、と思いましたが、ただひとつ、残念だったのが、「まひろの灰投げ事件」について話さなかったこと。

 「源氏物語」のユーモラスで素晴らしい場面として資料のなかに「鬚黒の正妻の灰投げつけ事件」を盛り込んでいたのですが、これをしゃべると、あと10分超過だよね、と思って、つい遠慮してしまって、この部分をはしょってしまったのが残念。

 ドラマのなかで、いとさんが「お方様も亡くなられた殿とよく夫婦喧嘩をなさっておいででしたね。とくにあの灰を投げたのが最高でしたわ」というところが最初に出てきて、あちゃあ、あれをしゃべっていたら、皆様、あ、これだね、とわかってくださっただろうに。ああ、残念。

 やっぱり、きみちゃんは遠慮しちゃダメだね。時間が押しても、5分でいいから、いえ、3分でいいから、用意したものは話さないといけないな。もちろん、時間ぴったりに終わることが理想ですけど、遠慮はよくない。

 というのも、きみちゃん、その日の朝にふっと思ったのです。

 「きみこは何をしてもいい。遠慮しないで、自由にやっていいんだよ。自分を深める分には何の遠慮もいらない。」

 そんな言葉がスーパーきみちゃんからの伝言として降ってきたのでした。ま、皆様、ちゃんとわかってくださったでしょ。資料もすぐに読んでくださって、あ、これのことね、と思ってくださったにちがいない。

 次からは、もっと自由に、もっと大らかにお話して、さらに最高のトークをお届けしますね。

 今回は、とくに平安女流文化が花開いた原点に「皇后定子のサロン」があったことをお話しました。これはきみちゃん独自の見解ですが、歴史的には皇后定子は、たった24歳で亡くなる悲劇の人ですけれど、「定子サロン」こそが、平安女流文化を生み出し、花開かせた、ときみちゃんは思うのです。

 道綱母の「蜻蛉日記」で、女性が自分の気持ちを表現していいんだ、という機運が高まり、「うつほ物語」で物語の原型ができあがり、「枕草子」で、当時主流の和歌ではない随筆というジャンルでの大成功があり、「源氏物語」で大きく花開いた。その隙間に和泉式部がいて、赤染衛門がいる。どんだけびっしりの個性的な才女たちがひしめきあっていたことか。

 その文化の中核にあるのが、皇后定子のサロンにおける「非凡であれ」という思想。定子の「非凡であれ」という思想に惚れ込み、まず清少納言がその期待に応えて、自分の才能、センスを大開花させて、当時の貴公子たちをメロメロにした、というのは、本当に特記すべき事項です。

 右ならえ右ではなく、自分の才能と個性を余すところなく発揮して、非凡でありなさい。

 この思想は、いまのきみちゃんのものでもあります。非凡であれ。普通なんかにはならないわ。そもそも普通ってなによ。

 先日のきみちゃんを激怒させた事件も、「あんた、目立たないでよ」「あんた、その組織を利用してるでしょ」ということでしたから、自分の才能と個性を想う存分発揮して、非凡でありたいきみちゃんは、目立つな、何もするな、という思想が、心底、嫌だったのですよね。

 いまは女性の時代ですよ。女性が思い切り自己表現をすることで、大幸福、大歓喜、大感謝の境地に至る時代なのです。

 遠慮してはいけないよ。遠慮させてもいけないよ。自由に非凡であれ。わたしは最高傑作、と自分を誇りに思いながら生きていく時代です。

 親のせい、夫のせい、環境のせいではなく、自分で自分の人生の落とし前をつけること。

 受講生の皆様は、この定子サロンの「非凡であれ」という思想にいたく感激してくださって、学ぶことの大切さ、知性の大切さにも思いを馳せてくださって、きみちゃんも大感激でした。

 灰投げつけ事件のことはしっかりと話せなかったけど、この「非凡であれ」が伝わったので、これでよし。最高の講義ができましたことを、指宿図書館の皆様に深く感謝いたします。

 かおるちゃん、ありがとうね。指宿図書館の雰囲気は素晴らしいです。細部まで気配りが行き届き、とても清々しいオーラがいっぱいでしたね。

 講演後も質問が相次いで、きみちゃん、とっても嬉しかったです。一番の質問は、「先生のそのエネルギーはどこから来るのですか?」

 その答えは、「ストレスを溜めないこと」「怒るときはとことん怒る」「感情を大切にすること」などをお話しました。

 感情を溜めこむことが、何よりものエネルギー低下の原因です。嬉しい、楽しい、悲しい、寂しい、そんな感情を出しまくること。ネガティブな感情も出したっていいんですよ。きみちゃん、よく怒っていますし。でも、その一万倍、笑っていますしね。

 すべてが楽しいのです。お箸が転がっても歓ぶような高校生女子の気持ちで生きているかも。だって、毎日が最高で、毎日が大幸福。台風が来ようと、嵐が来ようと、大恐慌が来ようと、地震が来ようと、きみちゃんには「怖れ」はなく、「愛」だけがあるから大丈夫。

 今日も長女にお米を送って、その流れで、ユタカ君とスーパーや道の駅のお米売り場を見学して廻ってみましたが、鹿児島はもう新米が出ていますね。大丈夫、大丈夫。お米がなければ、麺類はあるし、水さえあれば、大丈夫。水が大事だね。

 やはり「足りない」という思想が怖れを生み出しますので、「足りている」「いっぱいある」という思いで毎日を過ごしましょう。

 この台風のおかげさまで、食糧のストック分を整理し、冷蔵庫の整理をし、部屋の片づけ、資料の片付けもしたいもの。きみちゃんのところには、資料がいっぱいありすぎるので、それを整理して、さらにたくさんの方へ新しい情報をお届けしたいものです。

 30年前は全く予測もしていなかった日本古典文学を教えるという仕事、カフェという仕事、女神ヒーリングという仕事、なんという運命でしょうか。

 40年前、イギリス滞在が終わる頃、日本に帰って何を仕事にしようか、自分の部屋でしばし思いにふけっておりましたら、「文学を仕事にしよう」という言葉が降ってきて、その決心だけをして日本に帰国したのでした。

 そして、1月に帰国して、3月には大学院の試験を受けて、無事合格。そしてふたたび上京。その上京のときは、自分の新しい人生が怖いくらいで、「この親不孝者め」と自分を責めながら、ぶるぶる震えながら上京したのですが、その怖さが自分を奮い立たせ、新しい人生を切り開いていった気がします。

 あのときは「非凡であれ」という言葉なんて思いもつかず、人とは違う道を行く寂しさ、怖さが満載でしたけど、ただただ文学を勉強したい、という気持ちで、あれから40年。

 女性が非凡であることは、とかく非難の対象となり、「目立つな」「派手じゃいけない」「男を立てろ」という目に見えない抑圧に苦しむことになりますが、いまは、それ以上に「稼ぐ」ということが加わって、そのこともまた女性たちはバンバン頑張る必要がありますね。

 「目立つな」の次は、「稼ぐな」という抑圧があるのですが、さあ、非凡さを発揮して、じゃんじゃん稼ぎましょうね。工夫して工夫して、これ以上ないくらいに工夫して、めちゃめちゃ楽しみながら稼ぎましょう。

 いまあるもので、コツコツ、こつこつと稼いでいくのです。自分の才能を信じて、自分の個性を溺愛して、稼いでいきましょう。

 本田健さんが、「しあわせな小金持ち」とは、年収2千万円、資産一億、ということをたしか本に書いておられたと思うのですが、これくらいを目標にしてもいいんじゃないかな。

 それくらい、自分の才能や個性を本気で振り切っていく、ということが大事です。

 まだまだ、お金は汚いもの、女性は男性の稼ぎで食べていくもの、という感覚が根強く残っていますが、そんなのポイして、稼ぎましょう。

 理想の自分の生き方、生活の様子をイメージして、すでにその生活が叶ったことを感じて生きていく。もし、その理想が叶わないことがあるとしたら、何がストップをかけているのか、それを見極める非凡さを持つ。

 どんな小さなことでもいいので、イメージして、それをコツコツと実現していくのです。こんなマグカップがほしいなあ、こんな服を着たいなあ。ちょっと休みたいなあ。自分の人生は自分で決める。

 病気になったり、現実が思うようにいかない原因は、他人の人生や課題を引き受けすぎる、ということにあると思います。自分に集中し、自分を最優先。それによって、人を幸せにしていくこと。

 意外な落とし穴で、最愛の人がうまくいかない原因だったりします。子ども、夫、妻、親の人生を優先して、幸せにしたい、と張り切っていると、自分が先に壊れちゃいますよ。だから、まず自分が幸せになって、その上で愛する人を幸せにしましょうね。

 今日はユタカ君の「非凡な」仕事のおつきあいで、伊集院の実家まで行きました。ユタカ君は本の編集が得意ですので、それを活かした仕事です。ばっちり交渉がまとまり、良かった、良かった。

 きみちゃん、そのユタカ君の独自の非凡な分野には、口を挟みません。ユタカ君もきみちゃんの女神ヒーリングには口を挟みません。ただ、「あなたは天才だね」と言ってくれるのみ(笑)。

 きみちゃんが今回、ユタカ君のお仕事につきあったのは、その後に、「百万石」のちゃんぽんが食べたかったから。日置市麦生田にある「百万石」は、きみちゃんの亡き父の故郷、串木野出身のご夫婦が営んでおられて、わが実家のソウルフード。ソース味のちゃんぽんで、半年に一回は食べたくなるお味。

 ユタカ君とふたり、「ああ、この味だね」と言い合いながら食べる幸せ。おじちゃん、おばちゃん夫婦はもう70歳代半ばではないかな。お客様も多く、ふたりで頑張っておられます。

 「お母さんはお元気?」と声をかけてくださいます。よく両親とも娘たちとも「百万石」にちゃんぽんを食べに来ましたからね。

 ここにも「非凡な」ご夫婦がおいでです。ちゃんぽんを作って50年以上。根強いファンがいっぱいで、素晴らしいですね。何も政治家になったり、官僚になったりすることが非凡な人生ではないですよね。

 「百万石」のあとに、母の施設に寄って、母にお菓子を渡しました。お昼ごはんのあとで眠たそうで、きみちゃんのことよりも早く寝たい、という顔をしています。次は母の誕生日に花を届けに来ましょう。施設の方がとても丁寧に親切に母に接してくださいますので、やはり「非凡な」専門家の方に介護をお願いして、大正解だったな、と思うことでした。これでようやく、きみちゃんが母を看るべきだった、という罪悪感から解放されて、介護の専門家に母を委ねることができました。

 きみちゃんとユタカ君も仲良く楽しみながら、月の舟をあと30年続けていきます。どうぞご一緒に楽しんでくださいね。

 この台風ですので、28日、29日は臨時休業にする可能性が高いです。ランチのご予約も頂いておりますので、明日、しっかりと決断して、HPなどに掲載します。

 それぞれの才能、個性を生かし合う社会に。きみちゃんも「非凡であれ」と自分を励ましながら、これからも楽しく生きていきます。

 では皆様、台風情報をこまめにチェックして、しっかりと備えて、「非凡に」この局面を乗り切りましょうね。

 いつもブログを読んでいただきまして、大感謝です。皆様の幸せを祈っています。女神ヒーリングのご予約もお受けいたします。いつでもご連絡くださいませ(090-3669-5354 mokka@po4.synape.ne.jp

 公式LINEアカウント「きりしま月の舟」開設も準備中です。10月26日(土)の高野晴代先生によります「源氏物語と和歌」講演会@みやまコンセール小ホールもチケット好評発売中。

 月の舟(090-7536-6672 mokka@po4.synapse.ne.jp)にお申込みくださいましたら、チケットの郵送、あるいはお取り置きをいたしますので、どうぞお気軽にお問合せくださいませ。

 これからは楽しいことだらけ、嬉しいことだらけ、しあわせいっぱいの日々が待っていますよ。楽しみにしましょうね。