きりしま月の舟

至福の祈り

2024.07.22更新


 何だか怒涛のような3日間を過ごし、いま、豊かな気持ちで朝を迎えた気分。

  それはきっと大きな気づきを得たからでしょう。ここのところ続いたネガティブな出来事は、この悟りに至るための試練だったんだなあ、と深くため息が出るほどの気づきを得ました。

 まずは、7月20日(土)に「よしもとばなな読書会」を月の舟で開催し、そのときにばななさんの作品「王国」を読み返して、「おお」という気づきを再び思い出し、改めて納得したこと。その流れの中で、昨日、霧島国際音楽祭のオープニングコンサートで、ピアニスト、エリソ・ヴィラサラーゼさんのピアノ演奏を聴いて、現実に落とし込めて、まるで神様が「きみちゃん、こっちだよ」と手招きしてくださるかのような自然な悟りの境地に至りました。

 よしもとばななさんの作品「王国」は、今年3月に、ヒーラー&チャネラーの中越真理さんときみちゃんでトークをした作品で、きみちゃんは、そのときも「王国 その3 ひみつの花園」の一部に深い感動を得て、そのことをお伝えしました。

 それは、どんなところかというと、文庫本で77頁から102頁あたりのところ、「王国」シリーズの主人公・雫石が、恋人でもうすぐ結婚して一緒に暮らすことになっている真一郎君の幼馴染の高橋君の庭を観に行くところ。高橋君は身体が弱く、もう亡くなってしまったのだけれど、その義理の母である人(高橋君のお父さんの後妻さん)が、高橋君が生前丹精込めた庭を一般公開して、お店を出す、という計画を聞いて、雫石は、その義母である人が真一郎君の初恋の人であり、そのお店と庭の管理を真一郎君にやってほしいと思っていることを直観でわかって、自分は単なる邪魔者であると悟る部分。

 そして、高橋君の芸術作品のような庭に対して、義母さんと真一郎君は「このふたりにかかったら高橋くんの世界はただの美しい癒しの世界になってしまう。そこが彼らのゆるいところだった」と気づく雫石。

 でも違う、ある意味では彼はとても傲慢にこの世界の王であったし、この庭は彼の邪悪な呪いでもあるのだ。私にはそれがわかる。

 それを見破れない彼らに失望を感じた。傲慢な気持ちではなく、高橋君に対する誠実さとして。(文庫本96頁)

 その後、真一郎君と別れた雫石は、台湾に行き、さらに高橋君の庭の秘密に思いが至ります。

 高橋くんはこの一本の線を、さっきまでの完璧な林、自然が描いた究極の線をこわすことなく、描き加えたかっただけだったのだ。自分が溶けていきたかったのだ。苦しみも悲しみも欲も忘れて透明になってすっと、大きなものの中に抱かれてただ呼吸していたい、溶けたいと。(中略)

 一周して、赤ん坊のような気持ちに戻って。いろいろな宝を抱えて、去ったのだ。

 どうして生涯をかけてそんなことがしたかったのか?それは彼が自意識から解き放たれて至福を味わいたかったからだ。どうして人は自然を模してしまうのか、それはすばらしい記憶を再現したいからでもなく、人間を優位にとらえたいからでもない。それはきっと、こんなふうになんでもなく世界を完璧な線で描き出してしまう何かに、至福の祈りを捧げるためなのだろう。(文庫本 218~219頁)

 長い引用になりましたけど、高橋君の庭のような、完璧な芸術作品としての、昨日のエリソさんのピアノ演奏は、もうエリソさんその人が、至福の世界にいて、祈りを捧げていると感じました。

 ウクライナ・ジョージア州出身のエリソさんは、今回「戦争ソナタ」を演奏されましたが、それは糾弾ではなく、平和な霧島で、ピアノ演奏ができる「至福の祈り」であると思いました。

 もう80歳を超えておいでのはずのエリソさんは、約2時間、アンコールも2曲弾いてくださって、その体力、全く楽譜を見ないで、暗譜されている記憶力、ご一緒した月の舟常連さんのMさんが「人間じゃないみたい」いみじくもおっしゃったそのエリソさんのお姿は、本当に女神のようで神々しかった!

 きみちゃんも、高橋君の庭、エリソさんのピアノ演奏と同じレベルに、月の舟を引き上げていきたい。そう心に誓いました。ユタカ君に話すと、「そうだね、そうしよう」と共感してくれます。

 これまで、ユタカ君とふたりで丹精こめた「月の舟」の秘密をただで盗みに来る方とか、権威的に糾弾しようとする方とか、足を引っ張ろうとする勢力とかがありましたけど、そんなの関係なく、もう「至福の祈り」の世界に、きみちゃんは入ってしまうもんね。

 秘密を盗む、人を古い価値観で裁く、そうした行動は、結局「愛されたい、認められたい」という自意識から派生しているもので、そのような欲望にまみれている間は、人間としての成長、至福の祈りに至る道は見えないのですよね。

 自分に集中する、自分の至福の世界に没頭する。愛される、認められる、お金を儲けるとかの世界に気持ちが引きずられている間は、まだまだ。没頭して、至福を味わう。

 きみちゃんは、文学講座、ランチ、女神ヒーリングに没頭し、その仕事を通じて、「至福の世界」への扉を開けて、この世界が平和で美しいままであることを祈り続けます。

 月の舟を高橋君のお庭のように、美しく調和のとれた世界にしていきますね。読書会に参加の皆様も、エリソさんのコンサートにご一緒した皆様も、この「至福の祈り」に共感されたと感じました。

 ああ、素敵な仲間がいて、ありがたいなあ。嬉しいなあ。月の舟を愛してくださる皆様、本当にありがとうございます。

 きみちゃん、昨日は、本当はユタカ君と霧島国際音楽祭に出かける予定でしたが、なんだかお客様が多い予感がして、ユタカ君にカフェの運営を任せて、途中、郁未さんも応援に来てくれましたので、古事記講座を受講されたMさんとKさんをお誘いして、ご一緒にエリソさんのコンサート、そして、霧島国際音楽祭名物のブッフェパーテイに参加したのでした。

 MさんもKさんもとっても歓んでくださって、さらにおひとりでご参加の熟女様ともお友達になって、本当に素敵な時間でした。

 何よりも、霧島国際音楽祭では、たくさんの知人に会えますし、なつかしくて、話も弾みます。それで、昨夜は、プロのピアニストの方が、月の舟で練習したい、とのことで、ゆっくりと練習していただきました。

 そうそう、7月20日夜も、霧島国際音楽祭の一環での霧島神宮かがり火コンサートで、きみちゃんの2代目アシスタントで、いまは小学校の先生をしている真子ちゃん一家も来てくれて、一緒に鑑賞。

 鷲尾麻衣さんのソプラノ、神田将さんのエレクトーンの素晴らしいこと。最後は、おはら節をアンコールで歌って演奏してくださって、わくわくしました。きみちゃん、おはら節、大好きなんだよね。

 感動の80分のコンサート、これで無料なんて、神様の采配でしかない。至福の祈りの時間でした。

 その夜は、真子ちゃんたちと月の舟で一緒に晩御飯を食べて、楽しい時間。ありがたい限り。実の娘は3人ですが、娘、息子みたいなご縁の若い子たちがいっぱいいてくれて、本当に幸せ。

 では、きみちゃん、今日も「至福の祈り」の時間を過ごします。ユタカ君とともに毎日を過ごせるのも、最高に幸せ。今朝は、ゆっくりと散歩していたら、郁未さんの車とすれ違ったり、早朝にかおりさんがトマトとバジルを届けてくださったり、と本当の仲間たちの優しさに囲まれて、最高に幸せ。

 今日も、こうしてブログを読んでくださいまして、ありがとうございます。ブログの読者の皆様も、素敵なご縁で繋がっていますね。大感謝です。

 そうそう、昨日は、きみちゃんがエリソさんのコンサートに行っている間に、史歩さんから貴重な天然の椿油が届いて、それもまた大感動。皆様、最高だわ。ありがとうございます。

 では、きみちゃん、7月25日の講演に向けて、もう少し準備をしていきます。愉しみな講演。至福の祈りを捧げてきますね。

 月の舟も夏休み中、ずっとオープンです。月、火曜日はお休みです。あとはノンストップで、8月いっぱいを乗り切りますので、どうぞ涼みに霧島までお越しくださいませ。やはり、2,3度は街中と違って、涼しいです。お待ちしております。