水の流れのように生きる
2022.03.07更新
おとといの3月5日(土)は、啓蟄ということもあってか、いろいろなイベントがありました。わたしたち夫婦は、そのなかでも、鹿児島大学大学院地域政策科学専攻研究実績報告会「危機の超克と未来へのアクセス」というシンポジウムに参加しました。
他にも、南日本文学賞公開選考会、鹿児島国際大学オンライン講演会、みやまコンセールでのシンポジウムなど、わたしの友人・知人たちが関わっている魅力的なイベントがいっぱいのなかで、鹿児島大学のイベントを選んだのでした。
月の舟@天文館時代に、アメリカ文学の講座などでお世話になった鹿児島大学の竹内勝徳先生からご案内があって、わたしたち月の舟自由大学の活動とリンクしていることの示唆もありましたし、心動かされました。基調講演の文化人類学者・今福龍太さんのお話や、わたしが鹿児島大学のゲスト講師を続ける中でお世話になっている丹羽謙治先生の「七高造士館初代校長・岩崎行親」についてのご報告も大変興味深かったので、ユタカ君が対面で鹿児島大学に赴き、わたしはzoom参加で、拝聴したのでした。
きりしま月の舟のカフェをやりながらの聴講でしたが、運の良いことに、基調講演が始まるときには、ランチのお客様が途切れて、それから延々4時間以上、途中休憩をはさみながら、ずーーとわたしはzoomで聴講することができました。
いやあ、とっても刺激的でした。今福先生のお話は、とても新鮮で、今日のブログのタイトル「水の流れのように生きる」という言葉は、今福先生のそれです。今後の月の舟自由大学の在り方をめぐる素晴らしい示唆をばっちりと頂きました。
基調講演のタイトルは「水の憲法―<群島響和社会>の思想と新しい地域主義」。今福先生は、奄美群島に魅かれ、学者としてではなく、唄者に弟子入りして島唄を「まねぶ」ことで、新しい地域主義の思想を確立していかれたようです。
学びの形も、その原点である「まねび」として、師匠をまねることで、学んでいく。奄美の水神様に対する畏敬の念を、それを拝む女性の後ろ姿を美しいと感じることで共有し、共感し、共和国ではなく、響き合う響和社会を形成する、という趣旨のお話でした。
色川大吉さん、山尾三省さん、宮沢賢治、ソローなどの思想を援用しながらの講話は、わかりやすく、映像や写真も交えて、美しく、論理明快で、実に触発されました。
わたしが一番触発されたのは、地域主義という考え方。国家でも行政区域でもなく、水の流れ、川の流域を中心にした地域主義が形成され、そこで皆が助け合って、リスペクトし合って暮らしていく。それが奄美ではすでにできている。
わたしは、この霧島に住んでから、限りない幸せを享受していますが、わたしもまた、この霧島を今福先生の地域主義にあてはめて、考えていきました。
霧島と言っても、わたしの住んでいる霧島田口地区だけでもかなり広いです。霧島市、という行政区域でも広い。月の舟の場合は、鹿児島県全体、九州全体、もっと広い区域、岐阜県、福井県の方々、いえ、先日カフェのお客様として知り合いになったラトビアの方とも繋がりを持っています。
月の舟での地域主義は、霧島という土地を中心に、月の舟ネットワークともいうべき魂の仲間たちも含むでしょう。その範囲についての考察は、また順次考えていくとして、わたしが一番心に沁みたのは、「その地域に、どのようなスタンスで自分が関わるか」という今福先生のお言葉でした。
この霧島の地に住んでから、本当にご近所の皆様と仲良くさせていただき、本当に親切にしていただき、お野菜、獲れたての魚なども本当にいっぱいいただいて、だからこそ、カフェをやっている、と言ってもいいくらい。その御恩返しをしたい、という気持ちもいっぱい。
そして、わたしにはいくつかの顔があります。文学研究者、文学講座講師、カフェのおばちゃん(おねえさん?)、女神塾主宰者、文化イベント仕掛人、妻、母、おばあちゃん、娘、人生相談請負人、世の中を明るくする人、女神、エトセトラ。
そのなかのどの顔を優先して、地域に関わるのか。それを考えていったときに、まずあと30年の仕事として、月の舟ホールの建設があります。まあ、これは別に作らなくても良いくらいなスタンスなのですが、地域とどうかかわるかを考えたときに、本当に心から創りたい、と思いました。
月の舟ホールで、たくさんの講座を創り、自分も講義して、ほかに先生方もお呼びする。普通の大学みたいに、学会的、学問的なものではなくても、たとえば、折り紙教室、ヨガ教室、編み物クラス、お香クラス、バレエ教室、ピアノ教室とか、文学も世界中の文学を隈なく講義するプログラムを創る、とか、カルチャーセンター、大学を超える自由大学というスタンスの構築。
月の舟ホールの文化プロデューサーというのが、わたしの最優先の顔なんですね。源氏物語、鹿児島学などの文学講座を死ぬまで続けるのはもちろんのこと、その全体を包括するプロデューサーとして、この霧島、この世界、この地球に関わりたい。
いま、カフェをして、めちゃめちゃ楽しいし、お料理も大好きだけど、お料理もまた文化プログラムの一環としてとらえていきます。
総合文化施設としての月の舟ホール。いまの月の舟はカフェとして、また図書室、談話室として大いに活用して、リラックスできる場を提供していきます。どうしても、いまのままでは、講義中にランチのお客様がいらしたり、ランチの途中で、講義を始めなければならなかったりで、落ち着かないので、月の舟ホールは必要なのです。
文化プロデューサーとしての資質がわたしにあるかどうか、よくわかんない(笑)。これまで、ただただ自分の感性の赴くままにイベントを企画して30年。一年に最低10回はやっているので、300回以上、たぶん、一千回はやってるかも。少人数から一千人規模までほんと、いろんなことをやってきました。
わたし自身が楽しいと思えることを、人を歓ばせたい、という気持ちで取り組んできて、すべて楽しかった。旅が好きだから、文学散歩もいっぱいしてきたなあ。どれもこれも大成功。一番大きかったのは大型バス4台で繰り出した栗野文学散歩。100回はやった、徒歩のみの向田邦子文学散歩。
いろんなことを思い出します。そして、いま、明日死ぬことになっても悔いのないくらい、たくさんの仕事をし、夫を愛し、両親、親族、娘たち、孫たちを大切にし、文学講座もイベントも全力投球してきました。
そして、あと肉体が消えるまでの30年の集大成の仕事として、月の舟ホールの建設とその運営を心底やりたいのです。
両親のもとに生まれて、何不自由なく自由に育ててもらって、大感謝。ソウルメイトとしてのパートナーのユタカ君に出会って、これまた大感謝、大感激、大歓喜。そのユタカ君との間に生まれた3人の娘たち。愛してやまない存在としての、ただただ愛を注ぐ対象としての娘たち。その延長上にある4人の孫たち。愛することの深い歓びを教えてくれた娘たち、孫たち。
そして、霧島というこの地に出会えた奇跡。もとはといえば、両親が別荘用に買った土地でもありましたしね。
ここであと30年を暮らすことの歓び。あと30年で94歳。ま、そのころまでは元気でしょうし、たぶん、頭も身体もしっかりしていると思う(笑)。
今日はオフの月曜日なので、早くに目が覚めても、ベッドのなかでいろいろなことを夢想している間に、あっという間に午前10時でございました(笑)。この朝のベッドのなかでの瞑想というか、夢想はとても大切な時間です。
今朝は特に、いろんなことがクリアになりました。まず、現実は厳しいというけれど、わたしは現実ではなく夢の世界を生きているので、「人生は甘い」。だから、どんなことも叶うのです。
月の舟ホールの建設は、今朝の夢想のなかで、2023年11月3日と決まりました。すごいね。我ながら、感心します(笑)。すぐに決まっちゃうところが、わたしだなあ。
資金は一円もないけど、何とかなる。スタッフも必要だけど、何とかなる。あと一年半しかないけど、何とかなる(笑)。
わたしって、最近、妙に心が落ち着いているのです。どんなことにも動揺しない。いままでは、頭から湯気を出して怒っていたことでも、別に気にならない(笑)。
むしろ、ああ、これって、こういうことねえ、と一瞬にして、世界のからくりが理解できてしまう。自分の気持ちがよくわかるようになった。他人の荷物を持たなくなった。
ぜんぶ笑顔でできてしまう。なんでかなあ。3月19日から21日までの3日間、きりしま月の舟2周年イベントを開催しますが、まあ、スムースにお客様の予約が埋まっています。ありがたいことですね。嬉しいです。
まだまだ、ぎりぎりまでご予約受付ますので、ぜひ2周年記念イベント、お越しくださいませ。フリーマーケットも開催しますよ。出店者の皆様、とっても張り切っておいでです。きみちゃんもお弁当、鶏飯を作りますからね。ピアノの連弾、ピアノソロまでやっちゃうきみちゃん。すごいなあ(誰のこと?っていうくらいに、遠い目)
もしトラブルがあったとしても、それは予定調和としての解決に向かうものだ、と冷静でいられます。
まさしく「水の流れのように生きる」ことがすでにできているのです。自分のなかに欠落がなくて、豊かな流れに乗っています。
そんなことを思いながら、このブログを書こうとしたら、ちょうど目に入ったのが「スピリチュアル・マーケティング」という本。
奇跡が止まらない成功に至るステップとして、以下の5段階が挙げられていました。
- 自分が望んでいないことを知る
- 自分の望みを知る
- 自らを束縛する否定的な意識を捨て去る
- 望みが叶えられたときの素晴らしい気持ちを実感する。
- 流れに身を委ね、直感の語りかける声に従って、大きな力の導きにすべてを任せる。
わたしはいま、2段階まではできています。あとは、文化なんてお金にならないことにお金をかけて、という否定的な意識を捨て去って、ちゃんとお金にしていく。月の舟ホールが完成して、自分も地域の皆様も歓んでいる顔がすでに思い浮かびます。
さらに、水の流れのように生きている実感があります。嬉しいなあ。ありがたいなあ。
そして、わたしにとっての地域主義とは、つまりは月の舟ネットワークというもの。リアルの月の舟ホールだけではなく、オンラインでも繋がります。
月の舟オンライン講座で、日本中の方と繋がります。ゴールドカード会員様がどんどん増えています。ありがたいことですね。感謝です。さらに充実させていきますよ。英語版も作って、世界中に広めていこう。
いやあ、それにしても、オンライン聴講というのはいいですね。快適な空間で聴講できますしね。途中、トイレに行ってもいいし、コーヒーを飲みながらでもいいし、快適な椅子に座って、あったかい薪ストーブの前で、先日の鹿児島大学のシンポジウムオンライン参加、それはそれは快適でした。ユタカ君は鹿児島大学の教室の固い椅子で、往復3時間の車の運転もあって、自宅に帰り着いたときは疲れていました(笑)。
わたしはこうした学会的な雰囲気って大好きなんだなあ、とあらためて思います。学会などもカフェを週末に運営していると参加できないかなあ、と思っていましたが、オンライン、という手があるんだなあ。
わたしたちは、意識の変革で生き方を変えることができます。不平不満を言っているうちは、それが実現しないことを心の奥底で描いているから。たとえば、夫婦仲良くしたいと思うなら、その場面を思い浮かべ、その映像、そのときの気持ちを前もって実感する。そうしたら、必ず実現します。
わたしの場合、月の舟ホールのデティルまでもう出来上がっているのです。
かつてどの本だったか、川勝平太先生が、「文化とは憧れられるもの」と書いておられました。わたしに文化プロヂューサーの素質があるとしたら、それは「憧れられるもの」を創造するってことです。
わたしたち夫婦の関係は、皆様の憧れですよね(笑)。先日、ユタカ君とどうやって死ぬかを考えて、99歳で心中しよう、と決めました。韓国岳に登って、雪山で眠るように死ぬ、という案が出たのですが、99歳で韓国岳に登れるのか、可能性として、きみこさんだけが生き残る率が高い、という皆様のご意見がありました(笑)。
文学講座も、わたしには自信があります。あさってから、また鹿児島市内のひまわりクラス再開です。コロナ禍でお休みしておりましたが、また張り切ってやりますよ。
娘たち、孫たちにも愛に(会いに)行けるでしょう。縮こまっていないで、自分のなかの強固な制度を外して、自由に生きていきましょう。
この世のユートピアを実現することが、わたしにとっての平和活動です。この世から争いがなくなるように、心を込めて、ユートピアの実現に向けて、いえ、すでにユートピアのなかを生きていきます。皆様もぜひご一緒してくださいませ。