きりしま月の舟

作文のヒント

2021.08.23更新


 孫の中学受験勉強につきあって、一週間が過ぎました。

 ルイ君は素直なので、実にやりやすい。ばあば(わたくし、きみこさんのこと)は、国語の先生ですが、勉強を教えるよりもまず、規則正しい生活をすることを推奨しています。

 わたし自身、朝食が終わったら、洗い物をして、洗濯機を回して、それ以外は家事をしないことに決めています。午前中は勉強の時間。午後が活動の時間。夕食後は読書の時間。

 午前6時に起きて、朝食を準備し、れなちゃん(保育園)と次女(仕事)を送り出し、ルイ君とお勉強体制に入ります。

 無理に起こすことはせず、起きてくるのを待ちます。ルイ君とれなちゃんの胃袋は頑丈にできていて、朝起きぬけでも食欲があるので、助かります。

 ユタカ君が胃腸の丈夫な人で、朝起きたらすぐに朝ごはん、という御仁なので、胃腸の弱い、かつ朝にも弱いきみこさんは、そんな夫が内心うっとおしいのですが(笑)、次女のところでは、わたしが「朝食、食え食え」のばばあになっている模様。

 ま、気にしない(笑)。次女はわたしに似て、朝に弱いので、今朝も「パンいらない」とお茶だけ飲んで出かけましたけど、いいよ、いいよ。腹減ったら何でもある日本だからね。

 月の舟カフェを始めてから、毎日10食分はコンスタントに作っているので、家族4人分の食事作りなんて、ちょろい。わたしって、料理の腕がさらにあがったなあ、と自画自賛。ちょっと食べさせすぎに注意かな。

 でもね、毎日のメニューを考えるのって、大好き。至福の時間です。

 コロナ禍がかえって功を奏して、昨年7月からランチを始めたことによって、文学講座受講のお客様だけではなく、新規のお客様が見えて、そこでいろんな話をしていると、じゃあ、文学講座やイベントに参加してみましょうかねえ、となって、素晴らしく良い循環ができています。

 やはり、きりしま月の舟は、文学講座やイベントを中心にすることで、発展していくんだなあ、と感無量です。これでこそ、わたしたち夫婦らしい運営の仕方ですものね。

 夏休みの月の舟作文教室も、8月15日までに10人の小学生の作文を見ました。みんな3日で宿題の作文を仕上げて、すっごく素敵な作文が書けました。

 わたしの作文教室のヒントは、でっかなことを書かない。自分が心の奥底で思っている大切なことを書くってことです。

 「いのちの大切さ」とかをテーマにして書こうとすると、大切なことのほうに意識が向いて、いま、起こっている事実を書くことができなくなる。

 ただ事実を淡々と延々と書く。思っていることに、良い悪いはないのです。

 文章は、スローガンではないので、描写が大事なのです。

 それをたまに保護者の方が「スローガンとしてまとめる」、と勘違いされて、「この子はまとめられないんです」と嘆きながら、わたしのもとにおいでになることがありますが、まとめるなんて、プロの仕事ですよ、とお話しして、勉強をまず見てあげます。

 そうすると、落ち着いて、お勉強も大好きになって、わたしも教えることがさらに楽しくなります。

 親が子どもに「気の利いたことを言う優等生」を求めていると、子どもは息苦しくなります。子どもは面白くて天才ですけど、親の期待に応えようとすると、必要以上に頑張るので、ときに疲れ果て、能力をのびのびと発揮することにストップがかかります。

 子ども時代は、のびのび、が一番。わたしもできの悪い親ですから、子どもへの期待はついついしてしまいますが、他人様の親子だと、親の期待と子どもの不安がよくわかるんです。

 他人様の大切なお子様をしばしお預かりして、一緒に楽しいお勉強の時間を過ごすのが、月の舟作文教室です。

 今年はじめて作文教室に来た小学2年生のK君なんて、とってもかわいかったなあ。「ありがとう」というテーマで作文を書くというので、「何、書きたい?」と聞いたら、「担任の先生のことを書きたい」と言って、すらすら書き始めました。

 30分もかからなかった。お母さんとふたりで何書こうか、とずっと悩んでいたそうですが、きみこマジックで、30分で終了。

 生活の時間の農作業が大好きみたいで、毎日、ずっと生活の時間だったらいいのになあ、と締めくくって、自分の「魂の望み」に気が付いたりして。担任の先生が笑わせてくださるのが大好きみたいで、「絵もじょうずですね」なんて、大人びた賛辞もかわいかったなあ。

 きみこ先生も感動しましたよ。達成感溢れる素敵な笑顔で帰っていきました。お姉ちゃんのYちゃんは、9月から月の舟塾に通う予定です。ご両親との信頼関係も芽生えて、わたしもとっても嬉しいです。

 ご近所の3姉妹も素晴らしかったな。それぞれの個性が出て、一緒に作文を書いていて、とっても楽しかった。

 お勉強って、やはり他人の承認を得るためにやるもんじゃないですね。作文はとくに、自分の魂と向き合う時間ですから、自分は何が大好きで、何に興味を持っているかを知る、大切な時間です。

 きみこの作文教室は、子どもたちの好奇心や魂のありかに寄り添うもの。教えているわたし自身が、子どもの可能性に寄り添えて、楽しく美しい時間になります。

 それに、ユタカ君が「あなたの作文指導は、天才的だね」とべた褒めしてくれるので、さらに舞い上がって、うきうきしちゃいます。子どもからの人気は、ユタカ君のほうがありますけどね。

 大人の文章指導でも、その人がどこで詰まっているか、何をブロックしているか、実はわたしには透視のように、よくわかるのです。文章の素晴らしい部分も、さらによくわかります。

 わたしの文章指導を受けた方は、ほんとうに生きることが楽になっていかれています。大げさに言えば、自分のなかにあった課題や宿題を乗り越えられた、という感じです。

 何人もの方が、文章を本にされて、編集作業はユタカ君の管轄です。その本作りの作業もまた、月の舟の重要な仕事ですね。わたしたち夫婦の二人三脚の成果が表れる楽しい仕事です。

 さて、このブログを書いている目の前で、ルイ君が「夏の星座」について、大きな画用紙にまとめています。

 ただひたすら、まとめるそばで、わたしはこうして自分のブログを書いたり、勉強しています。こうしなさい、ああしなさい、とは一切言わない。

 ルイ君は集中力があるので、やりだしたら早い。正確かどうかはわかりません(笑)。答え合わせはしません。やることに意味があるので。それに、わたしには星座はよくわかんないし(笑)。

 昨年、ルイ君とれなちゃんは、霧島で夏休みを過ごしたので、ルイ君の自由研究は「鹿児島の火山」でした。鹿児島学の先生でもあるおばあちゃんの蔵書から火山関係を引っ張り出して、ルイ君と一緒にそれを読み、わたしが解説して、仕上げました。

 ルイ君いわく、YouTubeやネット検索などで情報を引っ張ってきている同級生が多かったけど、自分は本で調べて書いたから、評判良かった、とか。

 今年の作文の宿題は、「社会を明るくする作文」を書くらしくて、これは先日来、ふたりで話をして、かなりまとまっています。

 この事前の話し合いがとっても大切。ルイ君は、おばあちゃんの常識破りの考え方に、結構ついてきます。いいぞ、いいぞ。さ、これは、明日の完成かな。

 あと少し、頑張って、もうちょっとしたら、近くのおしゃれなラーメン屋さんに行こうかな。ルイ君は、ちょっと疲れたみたいだけど、おばあちゃんのブログ書きが終わるまで、もう少し頑張らせて、一緒に出かけましょう。

 散歩がてら、買い物に行ったり、ランチしたりして、休憩もとりながら、ひとつのことを達成したら、ご褒美&休憩。またトライを繰り返す。ルイ君は和菓子男子なので、おやつは抹茶羊羹と麦茶。渋い。

 お勉強って、大変じゃないんです。すごいことをやろうとしたり、おおげさに構えたりするから、大変になるのです。等身大の魂が求める学びをしていったらいい。

 もっと身近なものとして、学ぶ。学ぶことを生活の一部にする。

 学ぶって、結局は、魂の望みを知る、ってこと。それは自分を知ることであり、多様性を知ることでもあります。

 今日は午後5時から塾のオンライン授業なので、それに合わせて、食事の時間、休憩の取り方を、受験生応援団長は細かく計算して、まるでアスリートのコーチみたいにそばにいます。

 わたしにとって孫は宝物なので、こうしてそばにいるだけでも至福の時間です。それがさらに応援できる環境というのは、ありがたい。コロナ禍なのに、ありがたいです。

 でも、あまり深入りしすぎないように気を付けて、距離を取りながら。このあたりの人間関係の距離の取り方は、結構、自信がありますわ。

 コツは、相手を否定しないこと。リスペクトすること。子どもであっても、リスペクトする。たまにダメ出ししますけど、そのダメ出しの言葉を厳選するとか。いつどこで何を言うかを考える。

 さ、そろそろお昼。ここらへんで、ブログをおしまいにして、ルイ君とラーメンを食べに行きます。

 では、皆さまも素敵な一日をお過ごしください。