きりしま月の舟

さ、もっと勉強しよう

2021.05.10更新


 GWが明けた途端、コロナ感染者が急増し、鹿児島県でも警戒基準がステージ3になりました。

 これを受けて、きりしま月の舟でも、5月22日(土)の「なかにし礼うた散歩」、6月6日(日)の「教育シンポジウム」の中止、延期を決定しました。

 こうした決定が、わたしの仕事のうちで最もエネルギーを使います。まず、自分のなかで「これはやばい」というのがあって、ユタカ君に相談するのですが、彼は「大丈夫だよ」の一点張り。「いやいや、危ないから」といろいろ話して、ふたり共通の合意点に達します。

 わたしは決めるのも早いけど、止めるのも早い。なぜなら、直感に従うから。その直感をユタカ君に説明して、納得してもらうのに時間がかかります。

 ユタカ君は、直感よりももっと広い視野で、物事を考えますから、彼の言うことは正しいのですが、「いやいや、そうじゃないから」という子どもの駄々コネに近い言葉で、彼の知性を説得するのは、エネルギーが必要です。ただ、ふたりで決めたあとは、ユタカ君の行動が早い。あれこれとテキパキやってくれます。

 出演者の方への連絡、お申込をいただいていた方への連絡など、仕事が早い。惚れ惚れします。今回のうた散歩は、あと二週間という時間のなかで、チラシを500枚印刷に頼んで、最後の追い込みにかかっていたのですが、まあ、安い印刷費でしたし、こういうところでケチったり、もったいないなあ、と思っていたりしては、良い仕事はできません。お客様の不安を煽るようなことは、絶対にしてはいけません。月の舟は、癒しの場ですからね。

 今回の「なかにし礼うた散歩」は3月に決めて、5月開催でしたから、ちょっと時間が足りなかった。なかにし礼の本をいっぱい買い込んで、読めば読むほど、いやあ、この人は凄いなあ、と感嘆し、その才能と努力と戦争体験、お兄さんとの確執に凄さを感じました。

 これはもう、もっと時間をかけて、なかにし礼の言葉を吟味しなさい、との天からのお達しであったと思います。出演者も4人で、おふたりは、きりしま月の舟初出演でもありましたから、もっと時間をかけて、企画を練り上げる必要がありました。

 音楽って、やはり平和と調和の象徴ですから、出演者同士の意気投合であったり、わたしたちとの関係であったり、とかがステージでもろに出ると思うのです。シンポジウムであれば、異質な意見の交換が、新たな調和を生み出す、というのがあるでしょうが、コンサートの場合は、調和がとても大事だと思います。

 どんなに才能があっても、気のあった同志でないと、音楽は素晴らしい表現に達しない、と思います。

 「人を信じる力」というのも才能のうちで、そういう人がひとりいるだけで、音楽は素晴らしいものになるでしょう。どんなに音楽の才能があっても、チームの仲間を信頼できない人がリーダーだと、そこに醸し出される音楽は、ガタガタになる。そう思います。

 今回、ご出演の皆様は、とっても素敵な方ばかりで、その調和をわたし自身、とても楽しみにしていました。だからこそ、企画者としては、曲の選定、順番など、もっとご出演の皆様の個性が輝くように、新たな取り組みが必要だったのでしょう。時間ができて、幸いでした。

 得てして、自己主張の強い人って、あまり才能がない(笑)。才能がないから、自己主張するんじゃないか、というくらいに、「あたしは、あたしは」と言いまくって、トラブルが発生するのを仕事としているような方も多く見受けます。

 それって、みたけきみこさんのことじゃないですか?と突っ込まれそうですが、わたしの場合は、自己主張ではなくて、単なるわがままです(笑)。人間関係は、わたしの最も得意とするところですからね。

 わたしは、自分のやりたいようにやるために、月の舟を創りあげました。だから、自分の土俵でやりたいようにやるのは素晴らしいことです。けれど、他人の土俵で、やりたいようにやってはいけない。

 人間関係は、自分の土俵を創ることから。自分のエリアを決め、そこで孤独に、でも覚悟を決めて、やっていると、その姿に賛同した方が集まってきてくださって、仲間が増えていきます。他人の土俵で、自己表現しようとしても、お客様の共感は得られません。

 ユタカ君との関係も、わたしが妻だから、うまく行っている。だって、彼は天才を自称し、自認し、かつめちゃめちゃ頑固で、どちらかというとひとりで何でもやりたがる人ですが、そんな男を手玉に取るのは、わたし以外にいませんわ(笑)。

 家庭内の家事や仕事も、わたしが一所懸命やると、ユタカ君も一所懸命やる。庭仕事をユタカ君が黙々とやってくれるから、わたしも家の掃除を頑張る、とか、お互いが自分のことを一所懸命やればやるほど、相乗効果が出て、良い関係になります。

 6月6日(日)の教育シンポジウムも、シンポジストの方が沖永良部島でのまちおこし協力隊の方でしたから、沖永良部島はコロナ感染率が高くて、今回は中止にしました。また、いつか企画します。

 長引くコロナ禍。これをぜひ、自分磨きの一環にしていきましょう。わたしも、あまりにも忙しくて、なかなか進まないオンライン講座の動画作りを、もう少し頑張りますね。源氏物語も「桐壺」の巻の途中までできているのですが、動画としてしゃべるところまであと一歩。もう少しお待ちくださいね。

 コロナ禍のなかで、ひたすら勉強する。立命館アジア太平洋大学の学長の出口さんがおっしゃっていますが、「勉強すると、選択肢が増えます」。勉強すればするほど、世界が広くなって、選択肢が増える。選択肢が増えると、しあわせも増大します。

 わたしも意外なことに、いま、「ランチを提供する」という選択肢が生まれ、とてもしあわせです。これもコロナ禍のおかげ。コロナ禍でなければ、ランチの提供はなかった、と思います。

 料理も勉強です。レシピを見ながら、どんどん視野を広げ、得意料理を増やしていく。これも、わたしがいつも勉強することを怠らなかった賜物です。

 最近は、さらにレパートリーが増え、またお野菜やその他の頂き物がいっぱいで、もしランチの提供がなければ、わたしたち夫婦だけでは、食べきれない量なのです。豊かさの極地。ありがたいことです。

 オンライン講座も、コロナ禍でなければ、全く発想しない分野で、これまた新しい挑戦で、ワクワクします。

 毎月1日は、オンライン講座説明会&交流会を開催していますが(と言っても、まだ4月と5月の二回ですけど)、久留米のEさん、富山のHさんもズームでの会合に参加してくださって、本当に嬉しく、楽しいです。

 5月1日は、最初からサーバーが落ちて、ちょっと慌てましたけど、何とかユタカ君やデザイナーの村山さんの機転で乗り切って、本当に楽しかった。ひまわりクラス受講生のIさんは、オンライン講座の動画でしっかりと勉強してくださって、感動、感謝。Sさんもオンライン講座で視野が広がった、と歓んでくださっています。

 鹿児島県立短大のわたしの担当の作品も、オンライン講座に組み入れますから、教育実習や体調不良で授業に出席できないときも、復習で活用してくださいね。

 5月6月のイベントが中止・延期になったことですし、オンライン講座の動画、ぼちぼち頑張りますね。ゆっくりとお待ちください。

 ひまわりクラスの松尾芭蕉もおもしろすぎて、じゃんじゃん勉強して、皆様にシェアします。お楽しみに。

 勉強すればするほど、選択肢が広がる。本当にそうですね。どんどん勉強して、どんどん選択肢を増やして、人生の楽しみとしましょう。わたしも文学から、料理、歴史、リーダーシップ、音楽、ヨガ、バレエ、着物と選択肢が広がっていきます。

 7月4日は、第二回目の「天才、大集合」。午後2時からの開催です。ランチ付きではなくて、ランチのあとの開催になります。参加費千円。皆様の得意な分野を表現してくださいませ。プロ、アマ、問いません。わたしは、ピアノ演奏としあわせトークをやる予定。

 5月15日(土)は、午後2時から「芥川龍之介マラソン」。今回は、「鼻」を読みます。この読書会も、午後2時からです。ランチのあとの開催になります。参加費千円。6月からは、ズームでの読書会も視野に入れますね。

 実は、昨日、体調が悪くて、どうも膀胱炎みたいな感じだったのですが、午後にユタカ君が「寝てな」と言ってくれて、ベッドでひとしきり爆睡したら、元気回復。おかげで、今朝4時に目が覚めました。で、ブログを書いているところ。

 中止の決定は、結構、わたしの身体に負担をかけたようです。何よりも、ストレスを貯めないこと。悩む暇があったら、行動する。勉強する。寝る。食べる。日々の小さな暮らしを大切にしましょう。

 そういえば、昨日は「母の日」でしたね。わたしは、91歳の母にお花を贈る段取りをしました。M君にお願いして、届けていただきました。母は、お花が大好きなので。それも花束じゃないと、歓ばない。

 わが娘たちからは、何も来ない(笑)。だって、わたしが「母の日」が嫌いなのを、娘たちは知っているから。母性崇拝は、恐い。たしかに、母性は人が生きる支えだけれど、だからこそ、慎重に母性偏重と母の愛というものを吟味しなければいけません。「母」であることを、つねに慎重に受け止めるように。母という権力の怖さを意識するように。孫のれなちゃんが「おばあちゃん、ママ、すき」と書いてくれたみたい。それで十分。

 では、今日も素敵な一日をお過ごしくださいませ。