きりしま月の舟

自分に集中する

2022.08.20更新


 京都5日目。今日は土曜日だけど、ルイ君のテニスの練習があるので、午前6時に起きて、果物を準備し、みんなが起きてくるまで、自分の勉強をしよう、と思ったら、れなちゃん登場。

 午前4時ごろから目が覚めていたそうな。昨日、ユタカ君が送ってくれたぶどう、梨、リンゴ、メロンを切ってあげて、娘が買ってきた天然酵母のパンを添えて出すと、寝起きなのに、パクパク食べ始めます。

 ユタカ君特製のブルーベリージャムをつけて、塩パンをむしゃむしゃ。ブルーベリージャムが美味しいね、と言ってくれます。そして、パジャマの上にジャムをぽろっとこぼしたので、お着替え。

 おばあちゃんも一緒にお着替えして、さあ、勉強をしようとパソコンを開けると、れなちゃんもZ会の「ことば」帳を持ってきて、一緒に勉強します。えらい、えらい。書き順やバランスが悪かったひらがなが、とても美しくなりました。Z会の就学前のドリル、めっちゃお勧めです。次は、算数とかも買ってあげて、一緒にやりましょう。

 そうしているうちに、ルイ君が起きてきました。これまでは、「起きて」と20回くらい寝ているルイ君に叫ばないと起きてこなかったのが、今日は5回ほどで起きた。奇跡だ!

 京都の孫たちの食欲、胃腸の強さは、抜群。起き抜けに何かを食べられる人を、きみちゃんはとても尊敬します。ルイ君も、パンをパクパク食べて、出かける準備をします。

 ユタカ君も起き抜けに、さあ、朝ごはんだ、とウキウキするタイプですが、わたしは、胃腸がそれほど強くはないので、どちらかというと、朝はゆっくり派。だから、できるだけ早く起きて、勉強したり、運動をしたりしたあと、ユタカ君が起きてくる頃に、一緒に朝食を頂きます。

 ルイ君の朝食が終わり、出かける準備がすべて終わったことを見届けてから、れなちゃんとピアノのお稽古。今日はピアノレッスンがあるので、わたしが付き添います。何しろ、れなちゃんのピアノの先生は、わたしが見つけてきた方なので、責任がありますしね。

 ピアノのお稽古が一通り終わったところで、ルイ君が出かけます。「行ってらっしゃい」と言ったばかりなのに、また帰ってきて、何やらごそごそ。忘れ物だな。「おかえり」と「行ってらっしゃい」の繰り返し。笑えます。そして、ようやく正式に出かけました。

 孫たちのために京都に滞在しているわけですが、あまり過干渉にならないように、と気を付けます。規則正しい生活を心掛ける。それはまず自分から。自分の仕事をする。それを心掛けます。

 昨日は、朝早く起きて、ルイ君、れなちゃん、きみちゃんの3人分のお弁当を作りました。ルイ君は英語の補習授業。3日間の英語の補習なのですが、結構、高度な内容なので、きみちゃんが予習復習に付き合っています。きみちゃんは留学経験者。そして英語は得意なのだよ。ネイティブの先生が、デスカッション形式で教えているそうな。まだ中学一年生で、英語習いたてのルイ君には、何が何だかわからないかもしれない。でも、健気に付いていっているらしい。あっぱれじゃ。最近、お勉強のできない子って、凄いな、と思うときがあります。だって、よくわかんないのに、そこにちゃんと座っているんだからね。偉い、と思う。

 れなちゃんときみちゃんは、京都御所まで行って、きみちゃんの「源氏物語ゆかりの地」動画作成の下準備をする予定で、お弁当を準備したのでした。しかし、れなちゃんがずっとゴロゴロしているので、一昨日までのお泊り保育で疲れているのかな、と思い、京都水族館へ行くことにしました。

 そしたら、れなちゃんは大喜び。お弁当を持って、ふたりで出かけます。

 京都水族館は、オオサンショウウオ、ペンギンなどの生き物のほかに、クラゲの種類が豊富。たくさんの展示があります。れなちゃんは、クラゲの目って、どこ?などと聞いてくるので、クラゲ展示のパネルで教えてあげます。

 一通り、全部の展示を見終わったところで、カフェのテラスでお弁当にしよう、としたら、なんとお箸を忘れていた!カフェでお箸を分けてもらってもよかったのでしょうが、たくさんのお客様が列をなしていたし、れなちゃんもそんなにお腹空いてない、というので、帰ってから食べることにしました。

 で、イルカショーを見て、水族館のシールを買って帰りました。イルカショーは、かごしま水族館に比べると、実にちょろい。水槽が狭いのかな。イルカ2頭が追いかけっこをしているなあ、と思っていたら、なんと、片方がちょっかいを出して、片方が怒っているらしい。イルカの喧嘩って、はじめて観たぞ。イルカは癒しの動物だとばかり思っていたけど。

 そんなこんなで、午後2時にまた家に帰り着いて、お弁当を食べます。れなちゃんはおむすびがいい、というので、おむすびを作ってあげて、お弁当のおかずはかぼちゃの煮つけを一個食べただけ。

 きみちゃんは、とってもお腹が空いていたので、自分の作ったお弁当をパクパク。我ながら、最高のお弁当だわ。とっても美味しかった!

 落ち着いたところで、もう一度、れなちゃんとピアノのお稽古をします。れなちゃんはピアノがとっても上手。和音もスタッカートもちゃんと弾けています。頼もしいなあ。

 わたしの3人の娘のうち、次女だけがピアノに関心がなく、絵とかデザインの方に進みました。長女と三女はピアノのお稽古をよくしましたけどね。れなちゃんは絵も上手で、わたしが撮ったクラゲの展示パネルの写真を観ながら、それをまねて、夏休みの自由研究用に、クラゲのミニちしき、という絵を描いておりました。

 とても小学一年生とは思えないくらいに上手。ちなみに、わたしも絵は描くのも観るのも大好きなんです。英国留学中は、ヨーロッパじゅうの美術館を観て歩いたものでした。見知らぬ土地を歩くときは、まず美術館に出かけるくらいなことをします。

 きみちゃんの小学生の頃は、作文と絵画コンクールと書道の受賞歴は輝かしいものがありました。その能力がいま残っているのは、作文だけかな。書道もまた復活したいもの。書道はほんと大好きだった。あの頃は、武田双雲さんみたいな方がいなかったから、書道を仕事にするなんてことはなかったけど、今だったら、あんな書家になりたかったなあ。

 ピアノは、小学生のころから、全く才能がなかったけど、なぜかこうしてずっと愛してる。なんでだろう。どんなに練習しても、どうしてこうもうまくならないのか、不思議。だけど、辞める気にはならないのもまた不思議だわ。

 好きなことって、何だろう。好きなことが上手とか、仕事になる、とかじゃないんだよね。わたしの場合、芸術全般が大好きなんですよね。上手とか下手とかではなくて、とにかく一流のピアニスト、音楽家、アーティストを心から尊敬し、大好きなんです。

 わたしの月の舟での仕事のひとつにコンサート企画というものがあります。9月10日も十五夜コンサートを開催しますよ。11月18日には薩摩琵琶コンサートが決まり、11月26日にもファミリーコンサートを予定しています。

 ここでもまた、一流のアーティストをお招きしているわけですが、まず、こうしたアーティストの方々と知り合い、仲良くなって、月の舟で演奏していただけますか?とお声かけをすると、話がとんとん拍子に進んで、コンサート開催、となるのがきみちゃん流。

 わたしの企画は、まあ、なんというか、わたしのめちゃめちゃ高い直観力の賜物で、ふっと思いついたアイデアがいつも功を奏して、だいたいはずれがなく、毎回盛り上がります。

 プロのイベント屋さんでもなく、プロダクションでもなく、ただただ培われた信頼関係だけで、イベントを構成している月の舟。これでいいのだ。そして、きみちゃんの自己肯定感が高くなればなるほど、一流の方々が集まって来られるというもの。さらに、集客もするするといきます。

 9月10日の十五夜コンサートも順調に席が埋まっています。与那嶺なつきさんの琉球舞踊、室屋麗華さんのピアノ、又吉のぞみさんのソプラノ、と和洋取りそろえた素晴らしい企画です。3人の美女とともに、十五夜を愛でましょう。

 みたけきみこも、沖永良部を舞台にした小説「青幻記」の解説をします。この小説の十五夜の宴での舞踊の描写がすばらしく、なつきさんの琉球舞踊をはじめて観た時に、「青幻記」の十五夜の描写と重なりました。

 この小説の十五夜の名場面を、ユタカ君が朗読します。名文です。美しいです。小説「青幻記」については、このコンサートが終わってからの9月16日(金)の「みたけきみこの鹿児島学」で詳しく解説しますね。

 9月11日(日)の女神塾特別ゲスト丸塚聖法さんによる「密教って何?」のイベントも最高ですよ。最近、月の舟にランチにいらしたことで、知り合いになり、意気投合した真言宗の僧侶・聖法さん。前世でご一緒してたんじゃないか、というくらい大好きな青年、まだ38歳です。

 めちゃめちゃイケメンなんです。さらに知的で、わたしの最も好みとするところ。ユタカ君みたいに、運動とか競争とかが嫌いで、ちょっと世間から外れたような苦み走った、でもかなり知的な男性が、どうにもこうにも大好きみたいなきみちゃん(笑)。

 聖法さんとお話しすると、わたしの質問に何でも応えてくださって、頼もしい限り。そのノリを皆様とも分かち合いたい、と思っています。

 9月10日と11日、ぜひ続けてお越しくださいませ。霧島の温泉に浸かり、お泊り、という手もありますよ。わたし自身が、心から楽しみにしています。

 ゴールドカード、シルバーカードの皆様は、どちらも無料です。ぜひお手続きくださいませね。お待ちしてまーす。ご予約は、090-7536-6672(月の舟)まで。またSNSのコメント欄でも大丈夫ですよ。

 さて、長々と書いてきましたが、今日のテーマは、ここからが本番。「自分に集中する」ことについて書いていきます。

 先日、小林正観さんのYouTubeを聴いていたら、天才を育てる親、犯罪者を育てる親、というテーマのものがあって、とても興味深かったです。

 天才を育てるのは、「あなたはあなたのままでいい」という親。犯罪者を育てるのは「あんたなんか産むつもりはなかったのに、なんであんたなんかが生まれたのよ」という親。

 犯罪を犯して更生中の人も、どんなに優れたセラピストが更生を促そうとも、実の親が出てきて、「ほんとは、おまえのことがとても大切なんだよ」と言わない限り、立ち直らないそうな。

 このお話、胸に刺さりました。わたしの母は、「あなたはあなたのままでいい」という子育てをしなかったので、わたしって、天才じゃないな(笑)。

 今になって思えば、わたしの母は、女性は男性の補佐をするもの、家事をしっかりとこなすもの、という考えが根強い人でした。だから、わたしがちょっと目立つことをすると、世間から叩かれる、とばかりに、ダメ出しをしたものです。

 でも、一方でとっても自慢に思ってくれて、褒めてもくれました。要するに、お金持ちの専業主婦になることが母の理想であるのに、きみちゃんったら、そこからどんどん外れていく。けど、きみちゃんが幸せそうだから、それでいいんだろうか、というような感じだったな。

 母の「合格、不合格」はいつもあいまいで、基準がないので、褒められても、けなされても、違和感だけがありましたし、親に否定されるのは、本当につらいものだ、と思います。

 母はわたしのためを思って、いろんなダメ出しをしてくれたのでしょうが、そのダメ出しは、わたしのためにならないばかりか、嫌な思い出だけが残ります。

 もちろん、わたしの母は、わたしのことを丁寧に一所懸命、真面目に育ててくれたので、深く感謝しています。そして、母の子育ての仕方は、時代の要請もあったんだろうなあ、とも思えますし、今ではただただ感謝だけがあります。

 わたし自身の子育ては、とにかく子どもが自分の方向性を教えてくれるもの、ということを指針にしていた気がします。とにかく自由に育てる、がユタカ君との合言葉でしたし。

 よくほかのお母さまから「どんな風に子育てをしたらいいのでしょうか?」と聞かれますが、「それはね、子ども自身が教えてくれますよ」とわたしは答えています。

 ほんと、そう。わたしの3人の娘たちも、自分で自分の方向を決め、わたしもユタカ君も「あ、そう」としか言わないで、黙ってお金だけ出していたなあ。

 それが最高の子育てかどうかはわからないけど、我が家の娘たち、そして孫たちもすくすく育っています。天才型子育ての「あなたはあなたのままでいい」という路線は踏んでいたみたいです。

 こうして次女の家に何日間も滞在して、家事手伝いをしている中で、やはり、自分に集中することの大切さ、自分を生きることの大切さを思います。

 わたしはただ寄り添うだけ。ただお弁当を作り、ご飯を作り、食べたくない、と言えば、ああ、そうなの、と言い、あれ、食べたい、と言えば、あいよ、と差し出す。その繰り返しです。

 それも、わたしにはわたしの人生があり、それをつねに全うし、自分軸があるから、人とのかかわりもうまくいく、というもの。「人たらし」は他人との距離の取り方が上手なのです。

 わたしの自分軸は、「書く」「教える」「運営する」「企画する」「料理する」。ホームベースは、きりしま月の舟。仕事の相棒は、ユタカ君。そしてわたしたち夫婦を信頼してくださる先生方、ゴールドカード、シルバーカードの会員さん。

 先程、れなちゃんのピアノレッスンに付き添いました。れなちゃん、とっても上手です。楽しくレッスンができるように、寄り添います。来週までいますので、ハノンに入る、れなちゃんのサポートをしっかりとやっていきます。ピアノの先生も、「れなちゃん、ピアノに向いてます」と言ってくださいます。たしかに、れなちゃん、ピアノを弾いているときが、いちばん集中するなあ。

 わたしは多分、他人様よりも多くの方と接する機会がいっぱいあって、人間観察には事欠かないので、その人間観察データは結構、しっかりしていると自負しています。

 そのなかで、いつも思うのは、運の悪い人、なぜか不幸を背負っている人、というのは、準備不足なのです。そして、他人のことを構いすぎ。

 たとえば、出かけるときに、バスの時刻、距離なんかを測って、逆算してから行動するのと、ふらっと出かけて、あたふたするのとでは、行動の質が違ってきます。

 もちろんぶらり旅とか、予定のない日はかまいませんけど、ちょっとした準備というものがなければ、すべてがあたふたとして、感情に流され、他人に振り回されることになります。

 他人に振り回されるタイプなのに、それ以上に他人のお世話をしたがるので、さらにドロドロな人間関係のなかに埋没してしまう。

 自分に集中する。環境に支配されない。親がどうだとか、なんと言ったとか、配偶者がどうとか、お金持ちの家に生まれたか、貧乏の家に生まれたか、とかの区別もなく、才能がある、なしでもなく、子どもがいるか、いないか、そんなことに振り回されないで、ただひたすら自分に集中し、自分を生きる。

 天上天下唯我独尊、とまではいかなくても、自分のことを最優先して、きちんと生きて行けるように。自分は何がしたいのか。何を仕事にしていくのか。他人とのかかわりはどうするのか。ちゃんと考える。準備する。行く先を決める。

 わたしが京都に来ているのは、わたし自身を生きるため。わたしがやりたいから。娘のため、孫のため、は二次的なものにすぎません。月の舟でランチをお出ししていてもいいのですが、娘が忙しくて、体調が悪くて、という状況ならば、月の舟よりも娘と孫を優先する、というのが、わたしの自分軸。

 娘たち、孫たち優先、えこひいきは、わたしの自分軸の中心にありますからね。もちろん、ユタカ君は最優先です。

 でもひとときの使命が終わったら、本当の自分軸に戻ります。9月から11月までの忙しいこと!スケジュール表を埋めているだけでも、緊張します。先ほどの十五夜コンサート、女神塾、鹿児島県立短大の鹿児島学講義、11月の薩摩琵琶コンサート、ファミリーコンサート、などなど楽しいことが続きます。

 忙しいからこそ、準備をきちんとして万全の態勢で当日を迎えるのです。

 何を隠そう、わたしもいつも遅刻魔、片付けのできないダメな子でした。それを優秀な母がいつもカバーしてくれていたかも。孫ができて、還暦を過ぎてから、ようやく自分を生きることができているのです。

 こんなばばあでも大丈夫なのだから、読者の皆様はもっと大丈夫。もちろん、わたしなんか以上にきちんとできている方も多いことでしょう。

 自分のことに集中する。準備をきちんとする。これが守れたら、生きることがとても楽になりますよ。

 ということで、今日は長くなりました。ではまた、お会いしましょう。いつも読んでくださり、ありがとうございます。