きりしま月の舟

ほんとうの<和>

2022.11.23更新


 きりしま月の舟の玄関前に甘い香りが漂っています。柊の花が咲きました。

 わたしは匂いに敏感なので、「あら?」と心惹かれる匂いを辿って行ったら、その香りの根源が柊であったときの感動。あらあ、咲いていたの?ごめんね、気付かなかったよ。

 月の舟のお客様の中にも、帰り際、柊の木の前に立ち止まって、しばし花の薫りを堪能される方もおられます。嬉しくなりますね。

 こんなとき、霧島に住んで良かったなあ、と心から思います。自然に癒されている感覚は、わたしの人生の60年近く、ほぼなかったですもの。

 無花果の実が次々に熟して、全く時期遅れの無花果なのですが、その愛おしいこと。レモンも少し収穫できました。ゆずも先日、ユタカ君がちぎってくれました。さっそく、春菊とレンコンのサラダにゆずのしぼり汁を加えて、夕飯のメニューに。これから、柑橘類が月の舟ランチにどんどん登場していきますよ。お楽しみに。

 だいたい一週間に一回のペースで書いているこのブログですが、毎日があまりにも実り多くて、豊かで、素晴らしすぎるので、一週間分を一度に書くとなると、これまでの倍以上の長さになりそうです。ただでさえ、長文のこのブログなのに、毎日の出来事を書くのが追いつかない。

 できるだけ、早朝に書きたいもの。わたしにとって、「読む」「書く」は、自己表現のトップバッターです。「書く」ことが、わたしの最も大切なものであり、わたしの探求する人間の真実を伝えられた感覚があり、またわたし自身に深い癒しをもたらしてくれます。

 深夜族で、夜中にごそごそするのが好きだったわたしですが、最近は、午後10時には寝ます。そのおかげで、午前3時半ごろの新聞配達の音を聞き、午前4時には起きる体勢になります。

 午前4時から7時までは、わたしにとって一番大切な時間。ブログを書いたり、勉強をしたりする時間。午前7時に朝食。本当は、朝食前にヨガや瞑想をしたいところ。ついつい勉強に力を入れすぎて、ぎりぎりまで授業準備をしたりしてます。

 朝食のあとは、ランチの仕込み、授業準備、お化粧をしたり、受講生の皆様やお客様をお迎えするために月の舟を整えたり、と午前10時までが忙しい時間になります。

 午前10時から午後3時までが、文学講座、ランチの時間で、毎日、本当に素敵なお客様がいらして、話が弾んで、仕事なのか、こちらが癒されているのか、わからないくらい。

 理想としては、午後3時から5時まで、翌日のランチの仕込みをしたいところですが、だいたい毎日、お客様が途切れたあとは、ゆっくりとお茶を飲んで、読書をします。

 午後3時半ごろ、霧島小学校の子どもたちが月の舟の前を通って、学童さんに行ったり、家に帰ったりするのを、霧島神宮表参道側のテラスでお茶を飲みながら、「おかえり」とユタカ君とふたりで声をかけます。

 子どもたちも「あ、きみちゃんだ」と手を振ってくれます。できるだけ、この「おかえり」の声かけはしていきたいもの。4人の孫たちにも、遠く離れているけど聞こえるように「おかえり」と元気な声で言っています。

 霧島小学校での「きみちゃんの作文教室」を担当させていただいてから、霧島小学校の子どもたちとさらに仲良くなりました。

 いま、子どもたちをめぐる状況は、なかなか複雑です。あまりにも世の中の変化が激しくて、これまでの勉強の仕方では追いついて行かない、ひとりひとりの個性を活かす教育が必要です。

 しかしながら、個性とは他人が伸ばすものではなくて、その人自身が伸ばすものなので、大人はただただその人を見守るだけ。とにかく、温かく丁寧に見守り、そのときにできることをやるだけ。

 世の中のすべての子どもたちが、心豊かに生きて行けるように、きみちゃんも精いっぱい応援していきますね。

 わが孫たち、霧島小学校の子どもたち、そして昨日も鹿児島県立短大の「鹿児島学」の講義があり、約130人の学生さんと向き合って、若い人たちにとにかく応援のエールを送るきみちゃんです。

 11月15日から鹿児島県立短大の「鹿児島学」の講義が始まり、12月6日まで4回、わたしの担当です。めちゃめちゃ楽しい。学生さんたちも、実に熱心に聴講してくれます。若い人が大好きなんですね。とくに、きみちゃんは、大学生の20歳前後の若者とのお付き合いが得意かも。恋愛がらみの相談事が得意です。

 来年の4月からは、「南九州の文学」の講義が全15回、前期のみありますが、そのときは、5年ほど前から交換ノートをやっているので、学生さん一人ひとりにお付き合いできるのですけど、「鹿児島学」の130人レベルだと、レポートを読むのにもすごい時間がかかって、ひとりひとりに対応できないのがもどかしいなあ。でも、今の若者の課題みたいなのがわかってきて、きみちゃんならではの応援ができるんじゃないかなあ、と思っているところ。

 とにかく、これからを生きる若い世代に、ドバドバと溢れるように愛を送っていきますよお。そして、きみちゃんの愛は深すぎるので、わたしと関わった人は自分の課題と向き合う羽目になるので、要注意(笑)。

 さて、この一週間もいろんなことがありましたが、最もすごい出来事は、11月18日(金)、19日(土)のこと。

 わたしの大学の後輩である箏奏者の梶ケ野亜生さんが主宰する「和フェス」に参加してきました。和楽器奏者の皆様が集まり、ワークショップやコンサートを開催されるというもの。場所は、鹿児島随一の名勝・仙厳園。出演メンバーも豪華な顔ぶれ。

 参加したいなあ、ということで、月の舟ランチは、ヨガ講師の純子先生にお願いして、ユタカ君とふたり、ワクワクと出かけました。

 出かける前に、純子先生のランチを頂きましたが、まあ、その美味しく、美しいこと!インド仕込みのスパイスが効いて、素晴らしい。スイーツも絶品。純子先生は、来年3月にご自分の助産院をオープンされるので、こんな素敵な先生にお料理やらヨガやらを習ったら、本当に嬉しいよね。

 和フェス前日の11月18日には、和フェスの薩摩琵琶体験ワークショップで講師を務められる坂田美子先生のコンサートを、きりしま月の舟でやりました。日本一の琵琶奏者である坂田美子先生の薩摩琵琶の響きは、月の舟全体に広がり、その心地よいこと。

 美子先生は、午前中には霧島小学校で体験コンサートも開催してくださって、5年生、6年生全員が、薩摩琵琶に触れ、体験させていただきましたよ。美子先生のお弟子さんの恵美さんも大活躍で、わたしとユタカ君も付き添いで出かけて、一緒に感動しまくっていました。

 校長先生、教頭先生、担任の先生方も、うっとりしておられます。一年生も途中から参加してくれました。最後に美子先生が弾き語りをしてくださった「鶴の恩返し」を、子どもたちは前のめりになって聴いていました。

 薩摩琵琶は、なかなか繊細な楽器で、小学校での体験コンサートのあと、美子先生は霧島を観光されることなく、ひたすら、弦の調整、着物の準備などに費やされます。わたしたちも美子先生と恵美さんにお昼ごはん、夜ご飯を準備して、少しでもリラックスしていただけるように、心掛けました。

 薩摩琵琶と月の舟の相性は抜群。18日夜のコンサートも大盛況で、お客様も大満足。またやりますね。美子先生、お弟子さんの恵美さんにも歓んでいただけました。大感謝です。

 で、和フェス当日。仙厳園に着いて、美子先生に会いに体験館に行ったら、「おはら節を踊ろう」ワークショップに途中からでも参加できる、とのことで、ユタカ君とふたり、参加してきました。美子先生とは会えずでしたけど。

 いやあ、講師の住吉小糸先生の鹿児島弁が懐かしい。なぜなら、小糸先生がいまお住まいのところは、わたしの生まれ故郷なのですもの。みんな、小糸先生の鹿児島弁は半分もわからない、と言われますが、わたしは全部理解できます。まるで外国語のような鹿児島弁ですからね。母語というのは強いなあ。

 そして、今のおはら節は、太陽国体のときに整えられた新しい形で、小糸先生のお弟子さんたちが、わたしの生まれ故郷の島平地区に伝わる「おはら節」を披露してくださって、これまた感動でした。

 いやあ、たった15分ほどの参加でしたのに、テンション上がりまくり。そして、なんと三味線を弾いておいでなのが、鹿児島国際大学で作曲を教えておいでの久保禎先生のご子息。いちき串木野市の住吉小糸先生のところに三味線を習いに行っている、とは伺っておりましたが、実際にその演奏とお声を聴いて、感動しました。声に張りがあって、素晴らしい。

 そうこうしている間、雲行きが怪しかった空から雨粒がポチポチからざあざあに変化しています。降水確率90%くらいで、ずっと晴れだったのに、その日だけが雨。ユタカ君は俺が行けば、晴れるさ、と晴れ男ぶりを強調しますが、ユタカ君の霊力も効かない。

 午後2時半からのコンサート会場に着くと、テントが張ってあります。晴れていたら、芝生の上で敷物を敷いての鑑賞でしたが、椅子も用意してあり、ありがたい。

 住吉小糸社中、梶ケ野亜生さんたち箏奏者4人で編成の螺鈿隊、島唄の里アンナさん、般若帝国という尺八のグループ、三味線の福居さん、と豪華なメンバーが続き、演奏も最高なのですが、雨はどんどん強くなるばかり。

 舞台のテント上に溜まった雨水が、演奏の響きで、一度にどばっと滝のように落ちたり、なぜか、風が舞台側に吹いて、演奏者にもろ雨風が吹き付けたり、で凄いことになりました。

 ただでさえ、和楽器は湿気に弱く、野外で演奏する場合に、大変気を遣われることは、素人のわたしでも承知している事項ですのに、野外で、しかもこの雨風に見舞われる和楽器たちの運命やいかに。

 主催者の梶ケ野さんは、観客の方をお気遣いくださって、「寒い方、体調が心配な方は、遠慮なく退場してくださいね」と何度もお声かけされるのですが、観客は微動だにしません(笑)。

 演奏者の方々が、信頼し合って、最後まで演奏されるのを観ていると、こちらまで励まされる感じで、立ち去る気がしないのです。雨に負けない筝、尺八、三味線、踊り、島唄、観客のわたしはとても癒されました。

 何よりも、梶ケ野亜生さんのお声がけで集まった和楽器奏者の皆様が、亜生さんを信じて、お客様を信じて、精いっぱい演奏されるお姿に、深く感動しました。

 これぞ<和>だ、と思えたのです。そこには、何の批判もありません。もちろん、お天気は誰のせいでもないわけですが、よくありがちな「寒いのをどうしてくれるんだ」とか「俺の(わたしの)大切な楽器を台無しにして」とか、そんな暴言が一ミリもない。

 人間の力ではコントロールできない雨の中、静かに、自分のなかの決断「最後まで演奏しよう」「最後まで聴こう」という意志があって、それがとても温かかった。

 そんなことを帰り道でご一緒した久保禎先生とも話して、温かい気持ちで帰路に着きました。

 で、その後がまたあるのです。翌日11月20日、夕方、なんと梶ケ野亜生さん、小林真由子さん、山野安珠美さん、和太鼓の金刺敬大さんが、きりしま月の舟にお立ち寄りくださって、「いやあ、あの雨は凄かったねえ」談義になったのでした。

 女性3人の箏奏者の皆様は、2014年の「五感で愉しむ源氏物語」をはじめとして、大きなお仕事をご一緒させていただいているプロの方々でよく存じ上げているのですが、和太鼓の金刺さんとは初対面。

 歴史に残る和フェスだったねえ、ご苦労様、でも、みんなの友情が素晴らしかったよ、とさすがにお疲れモードの梶ケ野さんたちを励まそうときみちゃんがしゃべりまくって、そうだ、来年もやろうよ、霧島でやろうよ、そうそう、うちの源氏物語イベントの8月のやつで一緒にやろうよ、と盛り上がっているうちに、螺鈿隊と金刺さんの和太鼓グループ「は・や・と」の共演が決まりましたとさ(笑)。

 ああ、あの大雨は、ここに辿り着くためのものだったのね。きみちゃんの無茶ぶりに、皆様も気持ちは来年8月12日。わたし自身も、こんな展開になるとは思いもせず、いやあ、宇宙の采配って、凄いね。

 ユタカ君が会場を確保してくれて、いやあ、スムースに企画が決まるときって、大成功の兆しだよね。大歓喜、わくわくのなかに、いま、きみちゃんはいます。

 坂田美子先生も来年8月12日にご参加くださるとのこと。超豪華メンバーの皆様、本当にありがとうございます。ほんと、わたしって、源氏物語もそうだけど、こういうコンサートだのイベントの企画が楽しくて、大好きでしょうがないんですわ。企画が上手とか下手とかの枠を超えて、ただただワクワクしてしまうのです。

 ああ、燃えてきたぞ。なんでも挑戦するきみちゃんだものね。

 「光る君へ」プロジェクト、改めて気持ちが燃えてきました。さあ、この大きなプロジェクトの大成功は間違いなし。すでに達成感でいっぱいです。

 12月4日、11日、18日のプレ講義「紫式部日記」を読む。紫式部のことをまずお勉強しましょう。午前10時から11時まで、リアル、ズームでのご参加をお受けいたします。

 mokka@po4.synapse.ne.jpまでメールくださるか、090-7536-6672(きりしま月の舟)までお電話くださいませ。

 2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」を観ることにかこつけて、この際ですから、「源氏物語」の世界を味わってみましょう。日曜日の朝、一時間、ちょっとお時間つくってみませんか?

 日曜日ですから、寝ていたいとか、お出かけの時は、アーカイブでの視聴ができますよ。一回千円の参加費ですが、年間3万円のゴールドカードであれば、他の講座も含めてオンラインで何度でも視聴していただくことができます。

 「きりしま月の舟」のHPの「オンライン講座のご案内」からゴールドカードの手続きをされてくださいませ。4ステップで、あっという間にゴールドカードの入会ができます。ぜひトライされてくださいませ。

 わからないことがありましたら、何度でもお尋ねくださいませ。近いうちに、HP上に特別バナーを貼り付けますので、そちらからも参加申し込みができます。

 まずは、12月4日(日)午前10時からの「紫式部日記」を読む講座にご参加くださいね。お待ちしております。ズームの予約もお受けしますよ。

 皆さまとご一緒に、ずーーーーっと学び続けていきます。

 いつもブログを読んでくださいまして、魂から感謝いたします。わたしの最愛の仲間たちへ、愛をこめて。また会いましょう。