きりしま月の舟

唯一無二の人生を生き切る

2022.10.11更新


 昨夜は満月。我が家の庭の大きな檜の陰から見える満月は、本当に美しかった。霧島は街灯がないので、星空も月もひときわ輝き、うっとりするほどです。

 ユタカ君と結婚したこと、霧島に終の棲家を設けたこと、このふたつがわたしの最大の幸福だあ。娘たち、孫たち、たくさんの仲間、お客様、ありがたい人生だなあ。

 先日の土曜日10月8日に、最愛のユタカ君が右手を怪我して、大したことはないのですが、お茶碗を洗えないため、わたしの仕事がぐんと増えて、ここんとこ、忙しかったなあ。

 何しろ、わたしとユタカ君は1+1=100のカップルなので、ひとりが欠けると、50のタスクがもうひとりに降りかかってくるわけで。

 お茶碗洗いが増えたため、ひたすら料理して、ひたすらお茶碗やお鍋を洗うこの3日間でしたけど、すぐに洗えばなんということはなかったなあ。むしろ自分の仕事はここまでできる証明になって、良かったかな。これまで食器洗いをユタカ君に依存していたかもしれません。

 毎日をきちんと暮らしたいきみちゃんとしては、朝起きてから寝るまでをばきっと充実させたいので、これまであまり関心を持ってこなかった食器洗いとお掃除に気合が入り、わたしひとりでもなんとかなる、という境地を得たのは大きな収穫でした。

 思えば、わたしの65年の人生、暇な時間、退屈な時間、というものが皆無でした。ありがたい限りです。何かしらに夢中になって、いつも大幸福だったなあ、と振り返ることができました。

 そして、まあ、なんというか、社会からはみ出た人間だったけど、いつもいつも自分らしく生きてこられて、幸せだなあ、と思います。

 学校教育が生み出す社会に有用な人材になろうとしたことは一度もなく(たとえば、医者とか弁護士になるとか)、親の期待に応えたこともなく(母はわたしを専業主婦、しかも社長夫人とかにしたかったみたいだけど)、つねにわがままに生きてきたけど、それがまた幸福の源だったなあ。

 特に、ユタカ君と結婚してからは、社会の第一線ではないけど、とても重要な文学の分野で共通の話題やテーマを語り合える人が隣りにいる幸せをかみしめることができて、本当に大感謝です。

 何しろお勉強は大好きだったから、学校も大好きだったし、落ちこぼれという感覚もなく、東京大学に行ったわけではないけど、日本女子大学の大学院を卒業したことは、わたしにとって最高の選択だったなあ、と思えることが多くて、つねに自分サイズの人生を歩むことができています。

 10-8ができない20代がいることに衝撃を受け、そうした世界とは無縁で来たわたしの人生ですが、改めて学校教育が規格品を生み出す工場みたいなところだとか、自分を不良品にしないために、算数ができないことをひた隠しにするだとか、あるいはわからないことを「ないこと」にしてしまう世界だとか、そんなことに思いを馳せてみて、わたしって逆に規格品から外れてはいるけど、「実はものすごく頭がいいんだなあ」と思えてきました(笑)。

 そのことに、ちっとも気が付かなかった。周りには、「わたしって、鹿児島一、頭のいい女」と豪語していましたけど、あまり本気で思ってはいなかった。けど、今回は、やっぱり、わたしって、知的なことが好きで、知的なんだなあ、と思い知りました。

 周りの方々が、あまりにも優秀な方ばかりだったので、そちらに追いつけ追い越せみたいな感覚だけで生きてきたから、上ばかりを見てきた人生だったなあ。尊敬と信頼と感謝だらけの人生なんだなあ。ありがたいなあ。

 他人と比べたり、嫉妬したりということがほぼない人生だったし、自分に心地よい空間を探して、いつも心地よいところにいられたんだなあ。ありがたいなあ。

 おそらくそれは親に経済力があったから、いつも親からの援助があって、のほほんと生きることができてたんだなあ。大感謝ですね。

 けれど、実家から離れて、還暦過ぎて、ユタカ君とふたり独立した生活を始めてみて、まあ経済的には荒海に放り出されたような感覚ですけど、それがまた最高に楽しいなあ。

 これまで両親がわたしにこんな荒波を経験させないようにしてくれたことに感謝しながら、世間の荒波って、こんなもんなんだなあ、と逆にそこを泳ぎ切ることを愉しんでいます。

 コロナ禍で飲食店は大変なことになっていますけど、わたしたちはコロナ禍でカフェを始めたことで、大きく助けられています。まさかわたしたち夫婦がカフェをやるなんて、誰も思わなかったでしょうし、まず自分自身が自分にびっくりしていますけど、お料理ってほんとに奥深くて、いつも言うように、文学研究によく似たところがあるので、とても楽しんでいます。

 カフェをやることで、わたしたちの幸せが倍増しました。もちろん、その分、仕事は何倍も増えましたし、周りに飲食店が増えたことで、カフェのお客様は減りましたけど、その分、お客様とじっくりと話す時間ができましたし、リピーターが多いことが、月の舟カフェの自慢です。

 ほぼ毎日来て、ランチを召し上がってくださるかおりちゃん、本当にありがとう。月の舟の講座とランチで元気になったとおっしゃる77歳の美保子さんをはじめとして、月の舟カフェで出会ったお客様たちが、月の舟を愛して、月の舟で元気になっていかれることは、何よりの幸せです。

 文学講座だけでなく、ランチもあることで、関係が深く濃くなる気がします。

 拠点があることで、遠くからも、あるいは久しぶりに、教え子ちゃんとか知人とか仲間とかが来てくれる歓び。

 思えば、ここ数日間、買い物に行ったり、かおりさんと一緒に、シャトルバスを利用して、和牛フェスinかごしまの会場まで出かけり、あ、そうそう、アイリッシュ音楽のコンサートに出かけたりした以外は(結構、出かけてるか、笑)、ほぼ月の舟と自宅だけで過ごしていますが、それでも何にも寂しくない。

 自分を生きていると、寂しくない。ユタカ君がいなくなっても大丈夫。わたし自身の内部が豊かだから、大丈夫。

 わたしたちはみな、規格品でもなければ、不良品でもなく、ただ「わたし」という個性的な存在であるほかはないのです。親あるいは他人様が、子どもを社会認定の規格品みたいに見せようとあの手この手で操るのは最もダメな人間関係。絶対にダメ。

 わたしたちは、そのままで完全なのです。わたしはまず、頭脳明晰、完全なる健康状態。薬ひとつ飲んでないし。肩こりは凄いけど、なごみちゃんの素晴らしいマッサージを定期的に受けているから大丈夫。

 ただ、この幸せに安住しようとは思わない。もっと進化して、本当の女神になったわたしを観たいから。そして、この経済的な荒波を泳ぎ切りたいから。

 11月1日スタートの「光る君へ」プロジェクト、大成功させたいなあ。

 ぜひ、皆様、ゴールドカードに登録して、まずは一年間半で、源氏物語を読み切りましょう。これまでのみたけきみこの源氏物語クラスで最短の読み切りです。第一期生は、13年かかりましたからね(笑)。

 源氏物語を読む人生と読まない人生では、大違い。人間の真実に触れ、美しい世界を堪能しましょう。みたけきみこが優しく、丁寧にご案内します。

 不思議なことに、来年3月19日に開催予定の源氏物語イベントの構想が着々と進み、面白いことになっています。大きな流れができているみたいだ。

 先日のアイリッシュ音楽コンサートで久しぶりに出会った豊田耕三さんに触発されて、あれこれアイデアがまたまた湧いてきました。

 さ、この流れに乗っていきましょ。大丈夫、大丈夫。リラックスして、ただひとつひとつを丁寧にやっていくのみ。

 武田双雲さんのおっしゃる丁寧道っていうのは、いいね。ひとつひとつを味わうように丁寧にやっていく。マジックで描くことでも、そのマジックを味わい尽くす、ってことをおっしゃる双雲さん。

 まず、わたしの場合は、ひとつひとつの講座を丁寧にやっていきます。企画のアイデアをひとつひとつ進めていくこと、源氏物語、「おくのほそ道」、それから霧島小学校での作文教室。それから、昨日頼まれた、学会での司会。ひえー、久しぶりの学会出席だけど、司会を仰せつかるとは!ちょっと荷が重いけど、頼まれたことはやる主義のきみちゃん。大いに楽しみましょう。地元開催だからね、地元の人間がお役に立ちましょ。

 小学一年生と2年生を教える作文教室。めちゃめちゃ楽しみ。いつも夏休みの作文教室に来てくれる子どもたちだけど、改めて学校の教室でやるのは緊張するなあ。でもね、まずはあれからやってみよう(うふ、企業秘密です)。孫のれなちゃんと遊ぶようにやってみましょ。

 鹿児島市内での文学講座ひまわりクラスは、「おくのほそ道」を読み切ったら、終了します。10年近い年月を、皆様とともに古事記から読み始め、「おくのほそ道」まで来ました。途中、今昔物語とかを端折っていますけど、初期の目的は達成したかな。

 鹿児島市内まで通うのがちょっとしんどくなってきたし、水曜日もきりしま月の舟を開けたいので、ひまわりクラスの皆様にご提案したところ。10年以上のお付き合いの方々ばかりなので、寂しい、と言ってくださるのですが、ひまわりクラスの皆様はもう学びの達人ですから、大丈夫。安心して卒業できます。

 また女神塾も、この12月から「光る君へ」プロジェクトで女神塾の時間を使いますので、来年4月から新たに編成し直します。

 10月16日の女神塾(特別ゲスト・川口史歩さん)でいったん、第一期を終了し、来年4月からまた新たに開講します。ちょうど2年たちましたし。ぜひ、皆さま、10月16日、お越しくださいませ。やはり、専門家のご意見、お話はとってもタメになりますからね。気軽にお越しくださいませ。午前10時から13時まで。ランチ付きです。

 どんなときも変化し、進化するきみちゃん。ユタカ君との息もぴったり。

 今朝、起き抜けに100歳まで頑張るぞ、と思えました。100歳で仕事を引退。それまでは現役だあ。そのためにも、健康、おしゃれ、食事に気をつけて、元気な毎日を、丁寧道でこつこつと生きていきます。

 唯一無二のみたけきみこの人生。さ、これからが本番だよ。

 皆様、いつもご愛読ありがとうございます。唯一無二の皆様が元気になれるブログを、楽しんで書いていきますね。これからもお付き合いくださいませ。