こんなときこそ、自分に優しく。
2022.09.18更新
本日9月18日午前9時、屋久島・種子島を過ぎて、鹿児島本土も暴風雨圏に入った模様。といっても台風の進路予想図では、佐多岬あたりが暴風雨圏の上限なのに、霧島でも、もう凄い雨風。
今朝起きて、物が飛んできても大丈夫なように閉めてあったシャッターを開けて、恐る恐る我が家の庭を眺めたら、ユタカ君が作った藤棚が倒れておりました。隣りの無花果は何とか大丈夫そう。たわわに実っていた栗が、青いまま、いっぱい地面に落ちております。
台風銀座、鹿児島で生まれ育った身としては、台風に慣れているとはいえ、今回のは、なかなか凄いね。
何年前だったかなあ、霧島のこの地に引っ越してから、台風の大風で、家の前の参道に松の大木が2本倒れ、その間に観光バスが挟まれる、という事態が発生したことを、昨日のことのように思い出します。
大雨の中を、たぶんあれはコロナ禍前ですから、中国の方を乗せた観光バスがどこに向かっていたのか、我が家の前の県道を走り抜ける予定が、目の前に松の大木が倒れ、道路を塞いでいたので、運転手さんはそのままバスをまっすぐバックさせて、違う道に抜けようとしたら、そのバックしたところにも、松の大木が倒れる、という事態が発生したのでした。
大木がバスを直撃しなかったのが、不幸中の幸い。バスは結局、お隣りの旅館・竹千代さんの前に停車して、トイレ休憩とかされた模様。たしか、あのときは大木を真ん中から切って、除けたんじゃなかったっけ。
いやあ、お出かけが好きなきみちゃんは、こういう台風でも好奇心いっぱいになる癖があるのですが、今日はじっと我慢。
小さい時に、ガス屋を営んでいた実家は、道路を挟んで向かい側に事務所がありました。台風になると、父は雨合羽を着て、その事務所まで出かけていましたね。母が「気を付けて」と送り出したことを今でも覚えています。
普通に道路を渡れば、5分もかからない距離ですが、父は決死の覚悟で出かける感じでしたね。「わたしも行く」と言っては、「何、言ってんの。子どもは風に飛ばされるよ」と叱られたものでした。
海の街・くしきので育ったので、海辺に家がある小学校時代の友人たちは、台風のときは、屋根に波がかぶる、と当たり前のように言っておりました。「怖くないの?」と聞くと、「別に、いつものことだし」と平然として答えておりましたね。
あれから自然災害に対する意識も高まり、あの大震災の教訓もあり、わたしたちは大自然の前に謙虚な気持ちで対峙できるようになった気がします。
わたしも自然とはかけ離れた生活をしていたのが、こうして霧島に住むようになってから、より自然が身近になり、だからこそ、今回の台風のような凄い風雨に対しても、謙虚になれている気がします。
昨日は、大雨と言っても、まだ降ったりやんだり、という感じだったので、文学講座と読書会は休講にしましたが、カフェはゆるくオープンしました。
そうしたら、40代くらいのカップルがお越しになり、ランチを注文されました。昨日は、豚のフルーツローストを作っていたので、それを提供できたのが嬉しかったですね。
豚肩ロース肉の季節のフルーツローストは、わたしの得意料理です。一週間前から豚肉に塩をまぶして準備しておくので、どなたかに食べていただきたいメニューでしたからね。
ちょうど島尾敏雄に関するオンラインのシンポジウムがあり、わたしはコードレスイヤフォンでシンポジウムの発表を聞きながら、カフェの仕事もできる、という二刀流をやっておりました。いやあ、現代の進化って、素晴らしいなあ。幸せな気分。
お客様とはユタカ君がしっかり対応して、ゆったりした時間を過ごせるように、彼が配慮してくれています。
島尾敏雄の日記だとか原稿だとかが、きちんと電子資料として公表されることをきっかけに企画されたシンポジウム。素晴らしかった。登壇者が6名で、延々4時間かかりましたけど、とても充実していました。
シンポジウムの内容を、チャットで文字起こしして、まるで同時通訳のようにしてくださるのも、大変ありがたかったです。いやあ、この時代の恩恵をたっぷりと浴びて、幸せな4時間でした。
司会進行の多田蔵人先生、お疲れさまでした。大活躍でしたね。かごしま近代文学館の石田忠彦先生、さすがです。梯久美子さん、鈴木先生、久しぶりにお顔を拝見した田代ゆきさん、懐かしい実家に帰ったみたいな、あったかい気持ちになりました。
わたしにとって文学研究は、実家なんだなあ。わたしのふるさとなんだなあ。しばらく実家に帰っていなかったら、実家はすでに甥っ子の代になっていて、まあ、いろいろと近代化され、素敵になっている、って感じですね。
若い研究者の皆様の素晴らしいこと。どんだけ勉強しておいでなんだろう、と感嘆しきり。
先日、聖法さんの特別講話を聴いた女神塾のなごみちゃんが、「聖法さんとゆたか先生って、雰囲気が似ていますよね」と言ってくれて、「そうなの、わたしって、知的な男性が大好きなんだよね」と話したことでした。
文学研究者でもあるけど、体育会系でもあるわたしは、男性の好みは筋肉質よりも知的な方なんですね(笑)
そして、やはり、わたしって実家がガス屋という商売をしていたことは、本当に良い生まれ合わせだったなあ、と思うのです。
商売が好きなんですね。カフェをやることが、料理をすることがとっても楽しい。これって、小さい時から慣れ親しんだ情景なんだなあ。ガスオーブンが発売されることで、母は料理教室を始めたし、いつもガスを使った料理がいっぱい並んでいたわが実家。そして、いつもお客様で溢れていたわが実家。お客様のために、いつも料理を出していたわが実家。誇らしく、懐かしい。
文学研究というのは、青春時代に出会った、新しい実家。
商売と文学研究が、わたしのルーツ。そして、わたしは53歳で天文館に「月の舟」を出したときから、このルーツを温めながら、独自の新しい道を展開していっているのですね。
台風の大風に揺れる庭の樹々を眺めながら、そんな根源的な自分というものに向き合っています。
スピリチュアルカウンセラーの伊東怜子さんが、きりしま月の舟に大きなエネルギーが流れているらしく、「きみこさんがきみこさんを信じて進まれると、歓びに包まれますね」「これからも抱えきれないほどの豊かさが舞い込みますね」と言ってくださいました。怜子さんのお言葉は、本当に元気が出ます。ありがたいです。
そういえば、9月10日の十五夜コンサート、11日の女神塾特別講座が大成功であったことはもちろん、その後、ユタカ君が編集した小説「女と刀」の英訳本が、なかなか良い売れ行きだったり、霧島小学校で作文教室を持つお話がまとまったり、来年3月の源氏物語イベントの会場がすんなりと確保できたり、と素晴らしいことが次々と起こっています。
先日、鹿児島市内のジュンク堂に英訳本「女と刀」の売れ行きがどうか、ちょっと見てこよう、とユタカ君とふたりで出かけたら、なんと最初においていただいた分は売り切れ、そのときに補充した分が、ユタカ君がレジカウンターに立っているときに、2冊立て続けに売れる、という、なんとも嬉しい事態が発生。
我が家にも続々と本を送ってほしい、との依頼があって、なかなかの反響です。嬉しいですね。ありがたい限りです。もちろん英訳をされた上別府エツ子さんのお力、表紙絵をデザインしてくださった村山さん、本当にいろんな方のお力があってこその「女と刀」英訳本の発売。とっても嬉しいです。
今朝も、本屋仲間の湯田さんから電話で、ジュンク堂に英訳本が置いてなかったよ、と知らせてくださって、ということは、あれからまた全部売れたんだなあ、と嬉しい気持ちになりました。台風が過ぎて、次の水曜日にはジュンク堂に補充しますので、しばらくお待ちくださいね。
原著「女と刀」もちくま文庫から再刊されて、その影響もありそうです。感謝だなあ。
そして、わたしのライフワークである源氏物語、さあ、いよいよ力を入れますよ。現在、木曜日に源氏物語講座第8クール目を講義中。受講生の皆様の素晴らしいこと!毎回、熱心に聴講してくださって、わたしの方が感動しています。
10月からは、素晴らしい「紅葉賀」の巻に入りますよ。途中からでも十分追いつきますので、興味のある方はぜひ受講されてくださいませ。
そして、来年から一年間で早わかり講座を開講します。ズームとリアルのハイブリッドでやります。その前振りとして、今年の12月から「源氏物語」に出てくるお香教室、「紫式部日記」を先に読んでおきます。
2024年のNHK大河ドラマは「光る君へ」。紫式部のお話だそうです。いやあ、素晴らしいなあ。わたしって、紫式部の生まれ変わりかもしれないし(笑)。
文学研究は、ある程度、時代を決めて研究を続けるのが通常なのですが、わたしの場合、たまたま頼まれた源氏物語講座を引き受けたばかりに、自分が源氏物語にドハマりして、近代・現代文学専門であったわたしが、源氏物語を8クールも教える、という人生が展開しています。
しかも、源氏物語がわたしの血肉になってきたちょうどいま、2年後には大河ドラマで「光る君へ」がある、という大幸運。さあ、たくさんの方に「源氏物語」という世紀の大傑作をご一緒に読んでいただく、最高の機会を与えていただきました。
「源氏物語」は素晴らしいです。光源氏というプレイボーイのお話ではなく、たくさん登場する個性的な女君たちの物語なのですよ。女性性を活性化するこの時代にぴったりの物語なのです。
きりしま月の舟のHPのオンライン講座に、深堀り源氏物語動画と授業録画の2種類をアップしております。深堀り動画は、なかなかの出来で、自信作なのですけど、動画作成にちょっと時間がかかってしまいます。先日、「桐壺」7をアップしました。5か月ぶりですわ(ごめんなさい、お待たせしすぎ)。授業録画もなかなか面白いですよ。ただ一時間を超えるので、観るだけだとちょっとしんどいかな。
で、来年の源氏物語講座は、毎月3回、第1、2,3日曜日の午前10時から11時までを予定しています。いまの女神塾の時間を源氏物語入門「源氏がたり~紫マンダラ~」と題して、リアルとzoom参加の講義をします。また月の舟オンライン講座で録画を配信しますから、何度でも受講できますよ。
一年間で36回なので、そのカリキュラムをいま考えているところ。めちゃめちゃ楽しみです。
いまのオンライン講座受講システムと同じゴールドカードの適用で有料となります。一年間で3万円です。ほかの講座も受講できますし、月の舟のイベントにもゴールドカードは使えますので、とってもお得ですよ。ぜひ、この機会にゴールドカードに登録してくださいませ。
登録はめちゃめちゃ簡単。きりしま月の舟のHP「オンライン講座のご案内」をクリックして、あとは指示通りに入力していけば、5分ほどで手続き終了。CODOCというアプリはとても信用がおけますので、安心して登録してくださいませ。
そして、来年3月19日は、月の舟が誇るイケメンオペラ歌手・又吉秀和さんを光源氏に、そのパートナーのなつきさんを藤壺に見立てて、「紅葉賀」巻を再現します。いやあ、武者震いがするほど楽しみな企画。ご期待くださいね。
もうほんと、わたしにしかできないことばかり。だって、いろんなアイデアが天から降ってくるんですもの。やるっきゃないよね。
あと、わたしにとってのライフワーク、鹿児島学。10月から鹿児島県立短大で鹿児島学の講義が始まります。いやあ、このカリキュラムはもうすでに昨年できあがって、シラバスとして挙がっているのですけど、またまた天からいろんなアイデアが降ってきて、さらに充実した講義ができる予感。
きりしま月の舟でも、「みたけきみこの鹿児島学」を開講しています。先日も、小説「青幻記」について講義しました。映画「青幻記」も流しながらでしたけど、受講生の皆様もわたし自身も涙涙で、なかな充実した講義ができました。
昨日の島尾敏雄シンポジウムのように文学研究の王道からは外れているけれど、ほんと、きみちゃんだからできること、月の舟だからできること、ユタカ君とのコンビだからできることばっかりで、とっても幸せです。
大感謝、大歓喜のなかにおります。台風のさなか、こんなに大幸福でいいんだろうか、というくらい、幸せな時間を過ごしています。
あと、霧島小学校での作文教室、めちゃめちゃ楽しみ。先日、校長先生と一年生の担任の先生が、わざわざ月の舟を訪ねてくださって、作文教室を依頼してくださいました。
すでに何人かの子どもたちが、毎年夏休みには、月の舟に来て、作文を書いていますからね。その流れで、霧島小学校の授業に組み込んでいただくことになりました。
ヤッホー、めっちゃ、嬉しい。校長先生に、「わたし、暴れていいですか?」とお聴きしたら、「いいですよ」とのご返事。暴れるぞお。子どもたちと心底、楽しむぞ。
娘たち、孫たちも、それぞれの道を進み、それぞれに幸せに溢れています。それも大歓喜、大感謝ですね。
何よりも、いつも月の舟の受講生、お客様が素晴らしくて、それがまた大感謝、大歓喜です。
さあ、この勢いで、大台風を吹き飛ばしましょう。何かの気づきを与えてくださっているはず。
わたしの気づきは、「きみこを信じる」「きみこは大天才」「きみこはやっぱり女神だわ」(笑)。
まだまだいろんなアイデアが湧いてきますが、順次、お知らせしていきますね。月の舟の文学講座の時間割が来年から少し変更になりますので、それもまた早めにお知らせしますね。
わたしのハイアーセルフ「スーパーきみちゃん」、いつもありがとう。あなたの究極の愛がわたしを導いてくれています。そうそう、母ちゃんに会いに施設に行ったら、とっても元気でしたわ。母ちゃん、産んでくれて、ありがとう。
コロナ禍もそうですが、この大型台風も大きな気づきをわたしたちにもたらして、過ぎ去っていくことでしょう。
皆さま、くれぐれも冷静にお過ごしくださいませ。恐れる必要はありません。大丈夫ですよ。まず自分を大切に。自分を愛して。自分に優しく。