精神の娼婦となるな
2022.04.04更新
我が家の山桜花が散り始めています。そのはかなさ、美しさ。桜は散るときが最も美しい。日本文化の真髄ですね。
わたしも64歳。人生100年時代にあって、晩年をどのように生きるかは、とても大切になってきました。どのように美しく散るか。
わたしはこの世で何を成就させたいか。寝たきりになって、身体が動かなくなったときに、どう動いたら良かったかを逆に換算していくお年頃になりました。
母が92歳で、車椅子の生活になり、自力でお手洗いに行くことが困難になってきているのを目の当たりにして、やはり90歳というのが、肉体年齢の限界かな、と自分では思っています。
そのためにも、今が最高潮、絶好調という一日を長く続けることを願っています。10年後に最高潮、絶好調の日が来るのではなく、今日が絶好調の最高の日であると毎日思って暮らす。
わたしの場合、毎日が絶好調です。でも、わたしの体力からして、まだまだいける。ここのところ、毎日のようにバタンキューの生活で、化粧水パックをしたまま寝入ってしまうという日が続いていますが、まだまだ余力があるぞ。
いつものように、朝、起き抜けに言葉が降りてくるのですが、先日は「奴隷になるな」という言葉でした。
大きな組織、国でもいいし、会社でもいいし、親の意向でもいいのだけれど、それに絡めとられて、身動きできない「奴隷」のような生き方ではなく、自由に大きく羽ばたくような生き方がしたい、と思います。
つねに自由である、というのは、大変難しいことでもありますよね。わたしも自由に生きていますけど、どきどき、ああ、鬱陶しいなあ、と思う出来事があります。それから逃げないで、とことんつきあっていくと、実は、大きな実りの世界への扉だったりするのですよね。
だから、嫌な出来事って、とても大事で、そこから逃げないで、享楽的な生き方に溺れるのではなくて、「これって何の前兆?」みたいな好奇心で乗り切るといいかもしれません。
ま、これはわたしの方法なので、壁にぶつかったら、楽々とまわり道をする、っていうのもあり、ですしね。
さて、「奴隷になるな」という言葉が降りてきたあと、ある短歌を思い出しました。
精神の娼婦となるなという言葉 風のごとくに一日まつわる(道浦母都子)
道浦母都子さんは、大阪在住の歌人。「無援の抒情」などの歌集で、日本を代表する歌人のひとり。1947年生まれの全共闘世代で、70年安保のときに母校・早稲田大学を拠点に安保闘争に加わって、投獄されるなどの経験もされました。
お母さまが鹿児島出身の方で、わたしの叔母とお花の師匠として、同じ流派だったことから、叔母を通じて、道浦母都子さんにつながり、1994年、わたしとユタカ君が主宰する「かごしま文化研究所」の第一弾大イベントにご出演いただいたのでした。
「短歌(うた)で開くわたし」というタイトルで、鹿児島市中央公民館で、第一部が道浦さんの講演、第2部がフラメンコギターに合わせて、短歌の朗読をするというもの。
素晴らしいイベントで、立ち見も出て、400人以上の方が参加されました。うちのイベントの誇らしい第一ページでした。その後も、あのような素晴らしいイベントを開催してください、とのお電話を頂いたりして、今でも、あのときの熱い思いが蘇ります。
そんな道浦母都子さんの短歌、わたしの文学講座でも取り上げたりしますが、先日また、ふっと思い出したのでした。
精神の娼婦となるな、とは凄いインパクトですよね。職業的な娼婦でなくても、精神の娼婦というのが、どれだけ心を荒らしてしまうか。
自分の生き方を、まるで娼婦のように、自分の意志を踏みにじられたまま、他人に奪われ、他人に侵略され、ぼろ屑のように捨てられる。
いま、20世紀型の男性中心社会から、21世紀型の個人主義的な社会への移行にあって、戸惑っている女性が多いなあ、というのが、最近のわたしの感想です。
前回書いたアクセル・ブレーキ論と同じく、女性に期待される社会、と言われながら、まだまだ女性の活躍というアクセルを踏みながら、精神の娼婦的に大きなものに依存して、ブレーキを踏む生き方。それじゃあ、心も身体もボロボロになりますわ。
たとえば会社という組織、国家という基盤、そういうものに寄りかかっていれば、まあ、安泰だった時代が終わりかけていて、個人が自分の才能や人的ネットワークを活かして、横のつながりで活動していく時代になってきています。
大きな組織にあっても、個人として活動してきた方々は、やはり底力があります。けれど、大きな組織に寄りかかって生きてきた方は、まあ、わたしみたいなフリーランスが長い人間からすると、ひとつの仕事に対して、全力度が足りない(お、偉そうな言い方、笑)。
だって、ある枠組みに従っていればよかったから。たとえば、お仕事をするときに、素で来る、というのか、全身、準備万端という感覚が全くないまま、まあ、隙だらけ、という感じです。
男性中心社会にあって、「あーーん、できない」といった、したたかな女性性を発揮するのもあり、だとわたしは思っていますが、そんな女性性はまあ使用にあたって、賞味期限があったりしますわね(笑)。
いま、個人の時代にあって、女性性を発揮することが、とっても大事です。「あーーん、できない」の正反対、「わたしって、すごーーーい」という立ち位置で人生を送る。女性性とは、受容そのものですから、自分を目いっぱい受容する、ってことです。
何というか、大会社の社長になった気持ちで生きる。大会社の社長なんだけれども、社員は自分ひとり(笑)。
「精神の娼婦になるな」とは、大きなものに寄りかからない、ということですね。茨木のり子さんの詩「倚りかからず」もありますね。「倚りかかるのは、椅子の背もたれだけ」。
きりしま月の舟の女神塾では、「自分を宇宙の最高傑作と信じ切る」ことをメインの教えとしています。このことを繰り返し、繰り返し、自分にインプットしていく。
これまで男社会で、親の言うこと、国の言うことに従って、「いい子」で生きてきたその辛さを一瞬にして開放できますし、その辛さが苔のように自分の内側に張り付いているときには、もう何度も何度も「わたしって、すごーーーーーい」を繰り返すのです。
これって、魔法の言葉なんですね。ぜひ、お試しくださいね。そして、女神塾にもお越しください。皆様、どんどん成長していかれて、その成長がまた凄くって、嬉しくって、大歓喜の中にいさせていただいています。
先程も、女神塾参加者の嬉しい電話でのご報告がありました。わたしも超嬉しい。そして、幸せな気持ちでいっぱいです。これからはね、幸せだらけですからね。波乱万丈はもうおしまいですよ。大丈夫、大丈夫。
さらに、嬉しいお手紙が3通、今朝届きました。ひとつはお土産だけど、あ、あれがうまくいったかな、というお知らせの予感。もうひとつは、ご著書の贈呈。またまた飛躍される若い研究者のお姿に涙が出ます。嬉しくって、大応援しますよ。
何か大きな組織であるとか、大きなものを離れると、ひとりぼっちになるようで、とっても不安ですけどね。もともとわたしたちはひとりですから、大丈夫。それに自立しないと、素敵な人には巡り合いませんからね。ひとりぼっち、という感覚が、大切な愛をはぐくむのです。
先日、ユタカ君が「俺みたいな持病もちから、よく逃げないでくれて、ありがとう」と言ってくれました。そう、彼は持病があるのです。とても心配します。
でも、彼から離れないのは、わたしが彼の持病を治す、などという傲慢さでもなく、彼の資産が目当てでもなく(あ、ボンビーそのものです、笑)、ただただ彼との暮らしが楽しく、幸せいっぱいで、一日でも長くユタカ君と暮らしていきたいからです。
何よりも彼は働き者だし、明るくて、冗談が好きで、楽天家で、ボンビーだろうが、お金があろうが、まあ、どっちでもいいや、というところが好きですね。
それに、これまで積み重ねてきた30年以上の夫婦の歴史って、素晴らしいなあ、と思うのです。今更、イケメンで東大卒の紳士と再婚したところで、わたしの個性をここまで大切にしてくれる人は他にはいませんからね。
腐れ縁、というのでもありません。今生で出会うべくして逢った人。彼と出会えたことが、わたしの人生の最大の幸福。
さて、精神の娼婦の話に戻ると、やはり、他人に自分の人生を振り回されたり、略奪されたり、侵略されたり、というのではなく、横並びで、みんなが自立して、自分のことが大好きで、同じように隣人もパートナーも大好きで、という世界の構築が待たれます。
きりしま月の舟では、その世界の構築をはじめています。それは、たびたびこのブログでもご案内している月の舟ゴールドカードシステムへのお誘いです。
年間3万円で、月の舟の講座、イベントに無料で参加できる。月の舟女神ランチが千円(通常は1200円)、月の舟通信が送ってくる。オンライン講座を受講できる。
それがゴールドカードシステムです。毎回、千円、あるいは2千円の現金をお支払いいただく方法、月の舟チケット(一枚12回綴りで一万円、一回の受講が830円になります)を購入していただく方法もあります。
ただ、ゴールドカード会員さんが増えると、月の舟の経済基盤が大きくなり、いま、ユタカ君とわたしの講座だけなのが、ほかの先生方の講座やイベント、シンポジウムなどをバンバン組める、ということになります。
ゴールドカードの会員さんが一千人になれば、年間3千万円、一万人になれば3億円の資金ができるわけです。
月の舟の活動を支えてくださる大きな原動力になります。講師の方も、同じように3万円のゴールドカード会員になっていただいて、自分の講座を提供するだけでなく、自分の興味のある他の講座も受講できるシステムにしていきたい、と思っています。
どうぞこのブログをお読みくださっている皆様、ぜひゴールドカード会員になってくださいませ。きりしま月の舟のHPの「オンライン講座のご案内」から、サブスクリプションの購入をされますと、自動的にオンライン講座の受講ができるだけでなく、ゴールドカード会員様として登録されます。
オンラインの講座のみならず、リアルの講座でも、どちらも受講できますよ。
オンラインの方は、「西城八十うた散歩」という月の舟の大イベントの動画を、先程YouTubeにアップしました。今は、無料でご視聴いただけますよ。
「短歌で開くわたし」以来、30年近くにわたって、たくさんの大きなイベントを開催してきました。その成果を動画にして、アップできるのは、また大きな歓びです。どうぞご視聴くださいませ。
これからも、どんどんいろんなイベントを開催していきます。
一番近いところで、4月17日午後2時から「古事記と日本書紀」の講演会。講師は、原口耕一郎先生。
先ほど、資料が届きましたが、さすがだなあ、という内容。きりしま月の舟は、霧島神宮のお膝元にありますから、「古事記と日本書紀」の勉強は必須です。しっかりと学びましょう。
原口耕一郎先生は、中国の大学の准教授ですが、たまたま現在中国に帰還できなくて、鹿児島県内のご実家においでのところを、きりしま月の舟でご講演していただく運びになりました。
月の舟@天文館時代に、連続講座で古代史をご講義くださっていましたので、懐かしい方も多いかと思います。ぜひご参加くださいませ。参加費2千円、ゴールドカードの方は無料です。
5月から毎月第1、2,3土曜日の午後2時から、きみこ&ユタカの「古事記」講座が始まりますので、その前哨戦としてご参加いただくのもあり、です。お待ちしています。
次に決まっているのが、8月の「蒲原有明シンポジウム」(日本を代表する詩人の没後70年を記念してのシンポです、素晴らしい先生、おふたりがご登壇の予定です)、9月10日の十五夜コンサート、9月11日の女神塾、特別ゲストを迎えてのトークショー、11月26日の、きりしま月の舟リトミック講座、そうそう、7月3日(日)は、七夕様のお飾りを創るための折り紙教室開催ですよ。
身近なところから、新しい世界への導入、忘れられそうな世界の掘り起こし、など、いろんなことをとことん楽しんでやっていきます。
ぜひ、きりしま月の舟をゴールドカードで応援してくださいませ。その応援は、何よりもご自分への感謝と愛の証になります。
さ、これからユタカ君と大好きな霧島の地を散歩してきます。その後は、腰の施術。ちょっと痛いので、早めの処置です。ヨガの純子先生が来てくださいます。感謝、感謝、大感謝。
また、今週は、わが愛する孫たちの入学式が続くので、ユタカ君と一緒に参列してきます。そのまま娘たちと旅行してきますので、きりしま月の舟は、4月7日だけをお休みして、あとは、先日の2周年イベントでお世話になった山路ブラザー&シスターズに、4月8日、9日、10日のランチをおまかせしてあります。
祐太君のお野菜、白神さん親子のコーヒースタンドが出る予定でしたが、こちらが急遽出せなくなって、ランチのみの営業になります。
さっそく、常連の方々が予約してくださっています。山路さんたちのランチは最高ですよ。先日も打ち合わせをしましたが、とっても美味しそう。ぜひ食べにいらしてください。
きりしま月の舟は、愛と感謝と信頼が溢れるところ。その愛のネットワークがこのような素晴らしいかたちで受け継がれていくことに、また大きな歓びを感じています。
皆様とともに、愛と感謝と信頼の溢れる日々を創造していきましょう。